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ゴルフ“一発屋”にまつわる方程式。
優勝以外の賞金でシードを獲得せよ。 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byKyodo News

posted2015/01/28 10:50

ゴルフ“一発屋”にまつわる方程式。優勝以外の賞金でシードを獲得せよ。<Number Web> photograph by Kyodo News

竹谷佳孝は2006年のプロ転向後、日本プロゴルフ新人選手権などで優勝したが、ツアーでの初優勝までには7年以上の時間を要した。

 ゴルフに限らず、いわゆる「一発屋」のことを、英語ではOne-hit wonderという。

 スポットライトを一度だけ浴びて、その後のキャリアは鳴かず飛ばず。一瞬の輝きだけ放って表舞台から去っていく人を揶揄したものだ。

 不名誉な言葉である。本来なら、一発も当てられない大多数の選手よりは、彼らはよっぽど讃えられるべき存在だ。だがそれも「勝者」になったがゆえに、高いハードルを求められる厳しい現実なのだろう。

 初勝利を迎えたツアープロのその後について、一発屋で終わらないための壁がいくつかあるという。

 谷口徹、片山晋呉といった歴戦の名手は、後輩プロが初優勝を遂げると必ず「ここからが大変だぞ」と発破をかける。「1勝目より2勝目が難しい」とは、たびたび言われるもので、これを達成すれば、一発屋の汚名は即座に返上。だが今回紹介するのは、ツアープレーヤーの一部でささやかれる、また違った“方程式”だ。

優勝「以外」の賞金額がシード獲得に足りているか。

 昨年6月、プロ転向から7年半の時間をかけて初勝利を挙げた竹谷佳孝は、こんなことを言っていた。国内メジャーの日本ツアー選手権を制したが、シーズンを戦う中で本当の意味で達成感と充実感が湧いてきたのは、トップ10入りを続けた秋口だという。

「優勝以外で稼いだ賞金額が、来年の(賞金)シード獲得のボーダーラインを越えて安心できた」というのだが、これが男子ツアーを戦うプロの技量を測るひとつの目安らしい。

[ 年間の獲得賞金-優勝賞金>賞金シード権獲得のボーダーラインの賞金額 ]

 大会ごとに異なる賞金総額のうち、優勝者に与えられるのはその2割。総額2億円の試合では、優勝賞金は4000万円となる。単独2位だとその半分、つまり全体の1割というのが通例だ。1シーズンの獲得賞金のうち、優勝賞金が占める割合はやはり大きいが、優勝者はシーズンの出来について、その1勝以外のパフォーマンスも問われるというわけだ。

【次ページ】 昨年初優勝勢は、ほとんどがこの数字をクリア。

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