SCORE CARDBACK NUMBER

中島卓也と栗山監督、2015年の「勝負」。
~日ハムの若手が受け取る挑戦状~ 

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2015/01/28 10:00

中島卓也と栗山監督、2015年の「勝負」。~日ハムの若手が受け取る挑戦状~<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

 栗山英樹は、監督として明らかに異質な空気を放っている。それは、いつだってこの指揮官が選手と勝負しているからだ。たとえばFAで大引啓次が抜けたショートについて、年が明けてからすぐ、栗山監督はこう言っていた。

「キャンプではビキ(大引)の抜けたショートをタク(中島卓也)に守ってもらうところからスタートするつもり。でもタクにショートを任せたら、(セカンドより体力的負担が大きいことで)疲労がたまってせっかくの彼のスピードを活かせなくなるリスクがある。だから休ませながらの起用になると思うけど……」

 この先の言葉から、栗山監督が選手と勝負している所以を感じさせられる。

「でも、オレが考えている以上のタフさを見せつけられるかもしれないしね。そうなったらショートはタクのものだよ」

 選手にチャンスを与えるのは指揮官の仕事だ。そこで選手に勝負を挑む。

 どうだ、答えを出してみろ――。

初対面で「守備がよければ打てるようになるはずだ」。

 中島に限らず、栗山監督はそうやってファイターズの若い選手たちと勝負してきた。中島がこんな話をしていた。

「監督に初めて会った時、『守備がよければ打てるようになるはずだ』と言われたんです。『守備に自信のある選手は打つ方に意識を集中できる、だからバッティングにもっと興味を持て』と……」

 守備に自信はある。しかしバッティングには自信が持てないから、好きにもなれない。それが中島という選手だった。

「実際、プロに入ってからも、長所を伸ばそうと守りの練習ばかりをしてきました。でも、打てなければレギュラーにはなれない。だから監督の言葉を支えに、バッティング、頑張りました(笑)」

 中島はまっすぐに力負けしないよう、体に力をつけた。そして、胸を開くのを遅くしてバットが体の近くを通るよう意識しながら、左方向へ打つイメージで繰り返しバットを振った。その甲斐あって昨シーズンの後半は2番に定着。規定打席にも達して、.259の打率を残した。

「それでも去年は99安打。監督ふうに言えば(笑)野球の神様があと1本を打たせてくれなかった。だから今年は“最低100安打”を頑張る理由にできます」

 異質な空気を放つファイターズの指揮官は、今年もこんなふうに選手たちへの挑戦状を叩きつけて回っている――。

関連コラム

関連キーワード
北海道日本ハムファイターズ
中島卓也
栗山英樹

ページトップ