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低迷が続く日本マラソン。リオへ向けた打開策は?
~陸連の強化新体制は機能するか~ 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2014/11/10 10:10

低迷が続く日本マラソン。リオへ向けた打開策は?~陸連の強化新体制は機能するか~<Number Web> photograph by AFLO

アジア大会で優勝したバーレーンのマハブーブは、元ケニア人。初マラソンでの優勝だった。

 10月2日、3日のアジア大会、12日のシカゴなどマラソン大会が続いている。その中で、日本勢は思うような結果を残せずにここまで来ている。

 男女ともに金メダルを目標に掲げたアジア大会では、女子は木崎良子が2位、男子でも松村康平が2位、川内優輝が3位とハイレベルとは言えない中で優勝に手が届かず、世界選手権代表内定者が出るには至らなかった。

 シカゴマラソンでは小林光二が10位。順位もさることながら、2時間11分43秒と自己ベストに約3分遅れであったことが物足りなさを感じさせる。

 好成績をあげられなくなったのは今年に限った話ではない。その上で、ここ最近の大会で結果が出なかったことに目を向けざるを得ないのは、今年4月から強化のための新しい体制を採っているからだ。それは「ナショナルチーム」の編成である。日本陸上競技連盟によって選ばれた選手とコーチが合同で合宿を実施する中で強化と選手の適性を見極めつつ、専門家による医科学的なサポートも行なうものだ。男子は松村や川内、小林ら12名、女子は野口みずき、木崎ら9名が選ばれている。

「ナショナルチーム」に参加した川内からの苦言。

 立ち上げの目的は「2016年のリオデジャネイロ五輪でのメダルおよび上位入賞を目指す」ため。リオは猛暑が予想されることもあり、暑さに強い選手を見極める場にしたいという意図もある。

 これまで所属先や選手に育成や強化を任せてきたことを考えれば、思い切った策ではある。ましてや、コーチ個々の職人的と言ってもよいノウハウが日本のマラソンを支えてきた歴史がある。そのため、現場の声も賛成一色ではなかったと聞く。それでも踏み切ったのは、危機感の強さの表われにほかならない。

 ただ、今夏の男子合宿では必須だったはずの40km走に半分強しか参加しなかったように、強化策を実行できていない面もある。参加した川内も苦言を呈した。

「こういう注目される場にきっちり合わせて結果を残すことで、選考会や五輪などでも結果が出ます。合わせられない選手は、来年はこの場にいない」

 リオまでの残り少ない時間を無駄にしないためにも、選手を一貫した強化方針のもとに結束させ、設けた場を活かさねばならない。改革の鍵は、ここにもある。

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