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シード校に食い込むダークホースは?
予選会から'15年の箱根駅伝を読む。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2014/10/20 16:30

シード校に食い込むダークホースは?予選会から'15年の箱根駅伝を読む。<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

個人3位でゴールし、神奈川大を5年ぶり1位に押し上げた柿原聖哉は、「かなり余裕があったので。周りがきついところでペースを上げられた」とコメントした。

「台風が6時間、前後どちらかにずれていたら、レースは出来たでしょうね」

 出雲駅伝が台風19号の影響で中止されたあと、青山学院大の原晋監督はそう話し、とても残念な様子だった。

「故障していた選手が、控えめの調整でどれくらい走れるのか見てみたかったですが、もう、全日本に向けてどの大学も切りかえていると思いますよ」

 青山学院大も早速、出雲駅伝が中止になったその日、豪雨の出雲で、21kmの距離走を行なった。

「選手がいちばんがっかりしていたでしょうから、雨の中を走って少しでもスッキリできればいいと思ってね」

 東洋大、駒大、早大ら有力校のお披露目は11月2日に行なわれる全日本大学駅伝までお預けという形になった。

箱根駅伝予選会に見られた新しいトレンド。

 一方、10月18日に東京・立川にある昭和記念公園で行なわれた箱根駅伝予選会は晴天に恵まれた。

 予選会前のトピックスとしては、前回まで85回連続出場を誇ってきた中央大が主将などの主力を欠くなかで「予選突破危機」と騒がれたが、7位で通過。中大の通過が発表された瞬間、中大の卒業生たちが歓声をあげていたが、それだけ大会前の不安が大きかったということだろう。

 しかし、強化現場は極めて冷静だった。

「ハラハラしなかったといえば嘘になりますが、予選会に向けて調整はうまく進んでいました」

 浦田春生監督は極めて落ちついたコメントを残した。コーチ陣、選手たちも通過は当然といった表情で、「中大不安説」は、ハッキリいってマスコミの騒ぎ過ぎだ。

 今回走れなかった選手たちは私が夏合宿で取材した時点で不安を抱えており、直前になって走れなくなったわけではない。そのあたりは浦田監督をはじめとしたコーチング・スタッフも織り込み済みで、ボーダーラインのチームとは力量が違う。むしろ、実績のある選手抜きでこれだけ走れたことで、浦田監督は、

「主将の永井、箱根の経験のある三宅らが戻ってくれば競争が激しくなります。実績は関係なく、どれだけの練習ができているかと、その時の状態を見て決めていきます」

 と、秋の成長に期待している様子だった。

【次ページ】 来年1月の本選でもかなり戦えそうな学校が……。

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