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<6大レースを駆け抜けて> ワールド・マラソン・メジャーズを走る日 

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南井正弘

南井正弘Masahiro Minai

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photograph byGetty Images

posted2014/10/21 10:00

<6大レースを駆け抜けて> ワールド・マラソン・メジャーズを走る日<Number Web> photograph by Getty Images
一度でいいから走ってみたい――。世界中の市民ランナーが憧れる
6つの大会がある。東京、ロンドン、ボストン、ベルリン、シカゴ、
そしてニューヨークシティ。他の大会と何が違うんだろう?
そこを走ったときに何が見えるのだろう? 6つのレースを完走した
ランナーが教えてくれた、それぞれの大会で感じた歓びとは――。

好評発売中のNumber Do『完全保存版 死ぬまでに走りたい100の大会』より
「ワールド・マラソン・メジャーズ」を全走破したランナーに話を聞いた特集を
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 約7年前からほぼ毎日走っている。5年ほど続けた筋トレによりゴツくなり過ぎた体型を有酸素運動でシェイプするためと、村上春樹氏の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んで感化されたからだ。

ニューヨークシティマラソンは明らかに格が違った。

 始めて1カ月後にラスベガスでハーフマラソンを走り、以来、駅伝を含めて100近いレースに参加してきた。月によっては海外も含めて毎週のようにレースを走ることもある。「どの大会が一番楽しかったですか?」とよく聞かれるが、昨年11月に答えが決まった。ニューヨークシティマラソン(以下、NYCマラソン)を走ったのだ。ずっと出場を夢見ていた大会は、洗練されたオペレーション、ニューヨークの5つの区すべてを走るコース、沿道の応援、スタイリッシュなオフィシャルアパレル&ノベルティなど、そんじょそこらのロードレースとは明らかに格が違った。

 固い路面とアップダウンの続くコースは本調子ではなかった脚を痛めつけ、納得のいく走りはできなかった。それでも不思議とゴールしたときに悔しさはあまりなく、大きな達成感があった。NYCマラソンが他に類を見ない素晴らしい大会だったからだろう。

 NYCマラソンはワールド・マラソン・メジャーズ(以下 WMM)のひとつでもある。WMMとはトップ選手がポイントを争う陸上競技シリーズであると同時に市民ランナーが「いつかエントリーしてみたい!」と願う憧れの大会だ。市民ランナーが走ることができるWMMは6つ。NYC、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴそして、'13年にWMM入りした東京マラソンだ。

日本人の「Six Star Finisher」はたった8人だけ。

 自分が走ったことがあるのは、NYCだけだ(東京はWMM入り前だった)。あの素晴らしいNYCと並ぶ他の5大会はどんな大会なのだろう? 同じような感動が味わえるのだろうか?

 それを教えてもらうのにぴったりなのが「Six Star Finisher」と称される人々だ。'06年以降に東京以外の5大会、'13年以降に東京を完走し、WMMを制覇したランナーのことで、日本にはわずか8人しかいないという。そのうちの一人、岡村敏夫さんを訪ねた。

 岡村さんが走り始めたのは'08年。翌年、ホノルルマラソンを完走し、次第にランにのめり込んでいった。そして昨年から今年にかけ、なんと1年間でWMMの6つの大会をすべて完走している。

【次ページ】 アットホームな雰囲気でやみつきになるボストン。

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