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“新生”と“安泰”のあいだ。開幕直前のNBAを占う。
~キャブスの補強、継続のスパーズ~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2014/10/16 10:00

“新生”と“安泰”のあいだ。開幕直前のNBAを占う。~キャブスの補強、継続のスパーズ~<Number Web> photograph by Getty Images

(右から)ジェイムズ、アービング、ラブの“新BIG3”は機能するか。

 新しいシーズンには、いつも新しい発見がある。たとえば、ヨーロッパでの実績を手にクリーブランド・キャバリアーズのヘッドコーチに就任し、NBAコーチ界に新風を吹き込むと期待されているデビッド・ブラットが、実はオールドスクールのモータウン音楽好きだということも、そのひとつだ。

 9月末、トレーニングキャンプ前日の記者会見でブラット・コーチは言った。

「今はマーヴィン・ゲイの気分だ。すぐにでも始めたい」

 '70年代のマーヴィン・ゲイのヒット曲、“レッツ・ゲット・イット・オン”にかけてのコメントだ。

レブロンの復帰をはじめとしたキャブスの大補強。

 ブラット・コーチがシーズンを待ちきれなかったのも無理はない。彼が率いるキャブスは、今シーズンのNBAで一番の注目チーム。昨季はプレイオフを逃しているが、6月下旬にブラットがヘッドコーチに就任し、7月には地元出身のスーパースター、レブロン・ジェイムズが、4年前に一度離れたキャブスに戻ってくると発表すると、状況が一変した。彼の復帰をきっかけに補強も進み、一気に優勝候補として浮上した。

 もっとも、新しいことが始まる躍動感がある一方で、不安材料もある。チームの核となるジェイムズ、カイリー・アービング、ケビン・ラブのオールスター・トリオは実力と潜在能力ではずば抜けているが、ラブもアービングもここまでプレイオフ経験がまったくない。ブラット・コーチはヨーロッパでは何度もチームを優勝に導いているが、NBAでのコーチングは初めてだ。昨シーズンから残っている選手はわずか5人。ジェイムズがいるだけでリーグ全体から標的とされるのは確実で、チームとしてそれに太刀打ちできるだけのケミストリーを作り出せるかは、これからの大きな課題だ。

昨季王者スパーズは優勝メンバーが全員残った。

 キャブスとまったく対照的なのが、昨季のNBA王者サンアントニオ・スパーズだ。何しろ、優勝メンバーが全員残り、ルーキーが一人加わっただけで、ほとんど変化がない。

「去年はなかなかいいシーズンを送ることができたし、誰も追い出す理由がなかったんだ」と、スパーズのヘッドコーチとして19シーズン目を迎えるグレッグ・ポポビッチはうそぶく。実際、昨季のスパーズ、特にNBAファイナルでのスパーズは、「なかなかいい」どころか、限りなく完璧に近い戦いぶりだった。そのメンバーが全員残っているのだから、今季も優勝候補の筆頭であることは間違いない。

【次ページ】 ブルズ、サンダー、クリッパーズも王座へ虎視眈々。

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