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レイカーズのレジェンド、スコット新HCが持つ“魂”。
~過渡期でも目指す高みは優勝~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byAFLO

posted2014/10/23 10:00

かつてチームの黄金期を選手として支えたスコット。果たして古豪を“再興”に導けるか。

かつてチームの黄金期を選手として支えたスコット。果たして古豪を“再興”に導けるか。

 ロサンゼルス・レイカーズにとって、今季は心のリハビリ、つまりチームとしての誇りを取り戻すシーズンだ。故障者続出だった昨季は、8年続いていたプレイオフ出場が途切れただけでなく、LA移転後のフランチャイズ史上で勝率ワーストと低迷した。毎年優勝を狙うことが求められる伝統のチームにとって屈辱の一年だったわけだが、レイカーズ関係者にとって成績以上に残念だったのは、それがどれだけ屈辱的なことかを心から理解する人がチームに少なかったことだったのかもしれない。

 そんなレイカーズが新ヘッドコーチに選んだのは、'80年代、華麗な速攻で魅せた“ショータイム”時代のメンバーだったバイロン・スコット。レイカーズの本拠地フォーラムの近くで、パープル&ゴールドのユニフォームを着ることを夢みて育った。夢が叶い、現役14シーズンのうち11シーズンをレイカーズで過ごした。新人だったコービー・ブライアントに、プロとしての心得、レイカーズの誇りを教えたのも、引退直前のスコットだった。

 そのブライアントは、コーチと選手として再び同じチームになったスコットについて「優勝しなければ時間を無駄にしているも同然という、自分と同じ認識を持っている人」と歓迎している。前ヘッドコーチのマイク・ダントーニは、その点で考えが合わなかったのだと言う。致命的な食い違いだ。

「姿勢や考え方が変われば、試合に勝ち始める」

 現実的に見て、今のレイカーズは優勝を狙えるようなチームではない。故障明けで引退間近のスーパースター2人(ブライアント、スティーブ・ナッシュ)と、若く実績がなかったり、他チームから見放された選手たちの集まりだ。正直、プレイオフに出られたら大成功だろう。

 それでも、スコットはあえて選手たちに優勝を意識させた。キャンプ最初の練習を前にこう言ったのだ。

「君たちは再びチャンピオンのような考え方をしなくてはいけない。姿勢や考え方が変われば、試合に勝ち始める。今はそれが一番重要なことなんだ」

 実はスコットのNBAコーチとしての勝率(44.4%)はダントーニ(51.6%)より低い。それでも、今は数字より大切なことがある。それは、レイカーズ魂を取り戻し、若手選手に伝えること。次世代に伝統を繋ぐためにも。

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