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2歳勢優位から見える関東馬逆襲の兆し。
~大物感漂うブライトエンブレム~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/09/27 10:30

2歳勢優位から見える関東馬逆襲の兆し。~大物感漂うブライトエンブレム~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

獲得GIは2008年秋華賞、2009年エリザベス女王杯。公式ブログ名は「小島茂之厩舎の本音」。

 競馬は関西が強いというのが定説。試しにオープン馬を数えてみたところ、西(栗東トレセン所属)の301頭に対して、東(美浦トレセン所属)は143頭。この下の準オープン馬の数もダブルスコアとなっており、強い馬の層の厚さに大きな差がついているのがわかる。

 こうした偏りはいつ頃から始まったのかは、ダービーの勝ち馬分布から読み解くことができる。栗東に'85年から導入された坂路コースで鍛えられたトウカイテイオーがダービー馬となったのが'91年。それ以前は関東馬が8連勝を含む15勝3敗と圧倒していただけに、トウカイテイオー以後、関西馬が22勝2敗と大きく逆転して一気に水を開けた事実は大きい。少し遅れて美浦にも坂路が設けられたが、関西絶対優位の“激流”を変えるほどにはなっていない。こうまで実績が違ってしまうと、関東と関西で入厩してくる馬の質に差がつくのも必然だからだ。

 しかし、関東馬逆襲の兆しは見えている。2歳勢が五分に戦えているのだ。夏競馬が終わった時点で、オープンに格付けされた2歳は西の6頭に対して東が8頭。重賞も新潟と札幌の2歳Sを制して、函館、小倉を勝った関西馬と分け合った形。しかもその勝ち方を評価すれば、関東のほうが大物感で優っている。数的な優位も久しぶりだが、質的にも五分以上というのはいつ以来かわからないほどだ。

小島茂之厩舎のブライトエンブレムは旗手となれるか。

 新潟2歳S勝ちのミュゼスルタン(牡、美浦・大江原哲厩舎)は、残念ながらレース後に骨折が判明(来年の皐月賞には間に合うということだ)してしまったが、札幌2歳Sを制したブライトエンブレム(牡、美浦・小島茂之厩舎、父ネオユニヴァース)はまさに前途洋々。田辺裕信騎手が早くも「来年のクラシックはこの馬と一緒に盛り上げていきたい」とぶち上げたほどの強い競馬だった。

 管理する小島茂之調教師は46歳の若手。34歳で調教師試験に合格したエリートで、自ら精力的に調教に騎乗し、公式ブログなどでファンにも積極的に情報を発信している。初めてのGI勝ちはブライトエンブレムの母、ブラックエンブレムでの秋華賞('08年)で、そうした繋がりを生かして結果を出し、関東馬復興の旗手としての重要な役目を担っている。ダービーまで長い道程だが、この馬をリーダーとしての関東勢の巻き返しが見たい。

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