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新戦術「ハイブリッド6」で世界2位!
日本女子の挑戦がバレーを変える。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2014/09/01 10:30

新戦術「ハイブリッド6」で世界2位!日本女子の挑戦がバレーを変える。<Number Web> photograph by AFLO

ワールドグランプリに出場した全日本女子、190cmを超える選手は一人もいない。アメリカ、ブラジルとの身長差を埋めるには、新たな戦術をものにするしかない。

 東京・有明コロシアムで行なわれていたバレーボールのワールドグランプリが8月24日に終了した。全日本女子は最終戦でブラジルに0-3で敗れたが、ファイナルラウンドの通算成績4勝1敗で2位。この大会では初めてとなるメダルを獲得して終えた。

 成績もさることながら、内容も色濃い大会となった。新戦術を採用し、一定以上の成果があったからだ。「ハイブリッド6」である。

 どういう戦術であるのか。簡単に説明すれば、ポジションの概念を取り払い、選手がそれぞれ複数のポジションをこなすものだ。

 バレーボールには通常、固定されたポジションがある。ミドルブロッカーが2人いて、ウイングスパイカーも2人、さらにセッターとオポジット。たいがい、後衛にまわったミドルブロッカーにかわってリベロが入る。それぞれのポジションにはそれぞれに担っている役割がある。それが当たり前となってきた。

日本女子が見せた、常識を覆す戦術。

 ところが、全日本女子が見せたのは、「常識」を覆すものだった。ミドルブロッカーは試合ごとにゼロないしは1人。そして選手はポジションにこだわらず、流動的に、さまざまな位置からスパイクを打つ。そのバレーを、「混ぜる、組み合わせる」という意味を持つハイブリッドと称したのである。全日本は昨年、ミドルブロッカーを1枚減らす「MB1」を披露していたが、今大会へ向けてそれを進化させた形だ。

 なぜ、新戦術にチャレンジしているのか。

 出発点は、ロンドン五輪にある。

 全日本は同大会の3位決定戦で韓国を破り、銅メダルを獲得した。オリンピックでは28年ぶりとなる価値あるメダルだった。

 大会後、指揮を執っていた眞鍋政義監督の続投が決まる。そして目標を、世界一に置いた。そのために何をすべきか、という問いがそのときから始まった。

【次ページ】 3つの五輪金メダルは、すべて新戦術によるものだった。

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