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男子バレー復活なるか。若手争奪戦に終止符。
~東京五輪への新たな育成制度~ 

text by

市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byJIJI PRESS

posted2014/08/10 10:30

6月26日に発表された新強化体制では、アンバサダーに朝日健太郎、竹下佳江が就任する。

6月26日に発表された新強化体制では、アンバサダーに朝日健太郎、竹下佳江が就任する。

 2020年に開催する東京五輪に向け、日本バレーボール協会が「Project CORE」の発足を発表した。15歳から22歳までの男女18名を「集中的に強化する選手」に定め、彼ら以外にも若年層の選手を発掘育成し、競技の普及までを視野に入れて活動する。

 世界ランキング上位国では、有望選手が10代から代表入りを果たし、国際大会で活躍している。対する日本の選手は全日本入りが遅い。特に男子は深刻だ。今年度は12名が初めて全日本に入り、7名がワールドリーグに出場したが、最年少は21歳の山内晶大だった。7月20日に行なわれた決勝戦で優勝し、MVPを獲得したアメリカのT・サンダーは22歳。チームを優勝に導く働きを見せたサンダーに対し、全日本は山内に限らず、初めて代表戦に臨んだすべての選手が、まだまだ「経験を積んだ」レベルにすぎないのが現状だ。

 これまで全日本男子は、たとえ大学生が候補に入っても、各大学のリーグ戦や単位取得のため、なかなか代表の合宿に参加できなかった。自チームの成績を重視する各大学が主力選手を出したがらないという背景もあった。

若手でも実力があればシニア代表で積極的に起用する。

 同時にユース、ジュニア、ユニバーシアード、シニア代表と、各世代によって指揮を執る監督が違い、カテゴリーごとに結果を求められる。強化委員会がすべての選手選考を取りまとめていたが、名ばかりの組織で意思疎通も悪く、各世代代表で選手の奪い合いも起こった。

 そういった連携の悪さを解消し、強化合宿はもちろん、若い選手でも実力があればシニア代表の試合で積極的に起用していこうというのがこのプロジェクトの方針である。

 まずはアジアジュニア選手権大会などに出場して経験を積んでいくが、「すぐにシニア代表に入れる選手を育てていきたい」と「Team CORE」男子監督の酒井新悟は語る。各世代代表の連携の強化は、これまで幾度となく日本バレー界の課題として指摘されてきた。しかし実現できずに先送りにされてきた案件である。今後も起こりうる反発を抑え、説得し、理念を実現できるのか。何より、このプロジェクトチームを長期的な制度として定着させることができるのか。関わる者たちの手腕が問われる。

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