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その存在感はベッケンバウアー級。
ノイアーが示した「リベロGK」の衝撃。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byGetty Images

posted2014/07/19 10:30

その存在感はベッケンバウアー級。ノイアーが示した「リベロGK」の衝撃。<Number Web> photograph by Getty Images

最優秀ゴールキーパーを称える「ゴールデングローブ賞」のトロフィーを掲げるノイアー。名実ともに今世界最高のGKと言えるだろう。

 ベルリンで行なわれた優勝報告会に40万人以上がかけつけるなど、24年ぶりのW杯優勝にドイツ中が湧き立っている。

 ブラジルとの準決勝で7点を決めて大勝した上に、W杯の通算ゴール数も224点で歴代トップになったこともあり、優勝の理由として得点力や攻撃力が挙げられることが多い。

 しかし、ドイツが優勝を果たすうえで、欠かすことのできない活躍を見せたのがノイアーだった。7試合で喫したのはわずかに4失点で、完封が4試合。86.2%のセーブ率を記録して、大会の最優秀GKに選ばれた。準々決勝のフランス戦の後半アディショナルタイムにベンゼマが放ったシュートをブロックしたシーンなど、彼の活躍したシーンは枚挙にいとまがない。

 そして彼は、新しいキーパーのスタイルを構築した選手としても記憶されることになりそうなのだ。

「ペナルティエリア内やディフェンスラインの裏に出されたボールへの対応も素晴らしいが、彼のエリアの外での支配力も素晴らしい。まるでディフェンダーのようにパス交換に参加することが出来る。チームに落ち着きをもたらしてくれるし、あらゆる選手の中で最高の選手だよ」

 そう絶賛したのはレーブ監督だ。監督が「最高」と称したその特徴が垣間見られたのが、決勝トーナメント1回戦、ドイツが最も苦戦を強いられたアルジェリア戦だった。

GKとは思えぬペナルティエリア外でのボールタッチ数。

 この試合、ドイツは前がかりになりながらもアルジェリアの守備を崩せず、カウンターから何度もピンチを招いていた。

「W杯予選ではしばしば相手が自陣に引いてきた。その結果、我々はカウンターに苦しむことになった」

 レーブ監督は大会前からチームの課題をあげていたが、奇しくもその言葉通りに欠点を突かれたのだ。しかし、その弱点を補ったのがノイアーだった。

 何度もペナルティエリアの外に出て、相手のカウンターを防ぐ。ノイアーがこの試合で記録した56回のボールタッチのうち、なんと21回がペナルティエリア外のものだった。

【次ページ】 『偽の9番』ではなく『偽の5番』というポジション。

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