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ハマの守護神に抜擢された、ルーキーの大胆不敵。
~三上朋也、DeNAの希望の星~ 

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/07/08 10:00

ハマの守護神に抜擢された、ルーキーの大胆不敵。~三上朋也、DeNAの希望の星~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 三上の他に誰がいるんだと、ベイスターズの中畑清監督は周囲を説得した。川村丈夫投手コーチが振り返る。

「コントロールに難があったし、まさか抑えの適性があるとは……監督からアイツを抑えにしてくれと強く言われたんです。監督の見る目には驚かされました」

 きっかけは4月2日、横浜スタジアムのジャイアンツ戦だった。ルーキーの三上朋也は2点リードの6回、マウンドに上がった。ところが2つの四球と死球でノーアウト満塁のピンチを招いてしまう。続く高橋由伸に対してもボール球が先行、絶体絶命のピンチを背負った。しかし三上はそこからストライクを3つ続けて高橋を見逃し三振、長野久義をダブルプレーに仕留める。中畑監督は言った。

「自ら作ったピンチを自分で収められるピッチングと度胸に、ルーキーらしからぬ大胆さを感じたからな。みんな三上はハートが弱いって言うけど、だったらあんなことできるかよって話だろ(笑)」

 ハマの守護神に抜擢されたのは4月29日。それ以降、三上は2カ月で12セーブを挙げ、ベイスターズに勝ちパターンを確立させた。川村コーチが続ける。

打者を惑わす3種類のストレートと2種類のスライダー。

「三上の球はクセ球で、まっすぐもまっすぐ行かない。捉えたと思っても詰まるんです。球種はまっすぐとスライダーだけだけど、その方が相手は張りにくい。佐々木(主浩)さんも2種類だけでしょ」

 確かに、三上の球種は2つだけだ。しかし彼は腕の出しどころを変えている。190cmの体をかがめて右腕をサイドから操り出すのが基本。時折、背筋を伸ばしたまま、オーバーハンドから力のあるまっすぐを投げ込む。三上が言った。

「腕の角度によってストレートは3種類はありますし、スライダーも下に落ちる、横に滑る……いろいろあります。2種類だと思ってくれればラッキーですけどね」

 ただ、川村コーチはオーバースローのときには決まってまっすぐを投げる三上に「それじゃ見え見えだろ」と注文をつけている。しかし三上はニヤッと笑う。「今のところ、オーバースローではまっすぐだけで抑えられてますからね。なのに他の道を探してしまうと、芯であるまっすぐが生きなくなる。次の手は、相手に研究されて苦しくなったら使います」

 強かなルーキーは新たな引き出しを隠し持って、最下位脱出を目論んでいる。

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