栗山「権限を与えられた2番は最強」

　もっとも、角中も話しているように「送りバントがダメ」というわけではない。（サヨナラの場面など）1点だけでいいという展開なら、その作戦は有効だし、2番打者を決めるプライオリティーを送りバントの技術だとするのも、必ずしも間違いではないと思う。

　しかし、2番打者の活用がそれだけではもったいないし、送りバント以外に特徴の出せる選手を置くべきではないだろうか。

　栗山がいうように2番には、1、3番に挟まれているからこそできる、有効な攻め方・考え方の幅がある。

　2番打者を、従来の「送りバント＝つなぎ」という観点から打破して生かすことができれば、得点力が上がり、野球自体もさらに面白くなるはずだ。

「そんな2番は最強だと思います。フリーで打つという権限を与えてもらえればの話ですけど、初球から打ってもいいし、待ってもいいという役割をもらえたら、2番はゲームを動かすことができる打順やから、面白いと思います」

　栗山は「1シーズン600打席をそのテンションでできるかは難しいかもしれないけど」と前置きしたうえで、そう同調してくれた。

　交流戦も終盤に差し掛かり、いまだ下位に低迷するチームが浮上していくきっかけとして、2番打者を再考してみてはどうか。