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<美女たちの甘くて切ない食生活> 体操・田中理恵の忘れられない至福のディナー。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byTamon Matsuzono

posted2011/01/24 06:00

<美女たちの甘くて切ない食生活> 体操・田中理恵の忘れられない至福のディナー。<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono
2010年、23歳にして初めて日本代表に選ばれ、一躍女子体操界のスター
となった田中理恵。その気品ある演技とパワーの源は、意外にも(?)
焼肉だった。美しさと実力を兼ね備えたアスリートが明かした、ファン垂涎、
とっておきの料理の話――。

 昨年、アイドル的な存在として人気が沸騰した女子アスリートといえば、体操の田中理恵が筆頭だろう。11月に行なわれたアジア大会では個人総合3位、跳馬で2位に入る大活躍。10月の世界選手権では最も美しい演技で観客を魅了した選手に贈られる「エレガンス賞」を獲得したように、156cmの身体を生かした女性らしさを感じさせる演技が、彼女の魅力につながっている。

 そんな田中は、大きな大会の後に必ずといっていいほど焼肉を食べる。特に兄の和仁と一緒に世界選手権代表が決まった時の焼肉は格別だった。日本体操史上、兄妹が同じ大会で代表になったのは初めて。和歌山の高校で体操を教えている父親が上京し、家族でお祝いをしたという。

「渋谷に焼肉を食べに行ったんですけど、家族で喜びを分かち合うことができて、これまで続けてきてよかったなと、改めて思いました。兄とはケンカひとつしたことないです。小さい頃から体操をやってきて、どれだけしんどいかお互い分かっていますから。父は私が大学時代、ケガが多くて現役を続けるか迷っていた時に『体操が好きな選手にやめろとは言えないな』と、ずっと見守ってくれてました。お父さん、うれしそうだった」

大会後には選手同士で『牛角』や『しゃぶしゃぶ温野菜』。

 田中は遅咲きの選手である。左足首のケガに悩まされ、大学2年までは満足に演技ができない状態が続き、卒業後は故郷に帰って教員になろうと考えた時期もあった。それが'09年、大学4年でユニバーシアードの代表に選ばれたことで、「ここで終わりたくない」と踏みとどまったのが、'10年の大ブレイクにつながった。

 でも、ちょっと待ってくれ。体操選手と言えば減量がつきもの。「体つきを見ただけで、500g増えた選手はすぐに分かる」(近藤典子・日体大体操部監督)と言うくらいデリケートな競技なのに、カロリーの高い焼肉なんて大丈夫? と心配になってしまうが、本人はあっけらかんとこう答える。

「ベストは45kgを切るくらい。あまり減量は気にしなくていいタイプなので、食事はしっかり食べます。大会が終わって計量の心配のない日は、選手同士で肉を食べに行きますよ。学生なので、『牛角』や『しゃぶしゃぶ温野菜』とか、肉やお野菜のおかわりが出来るところが多いですけど(笑)」

【次ページ】 チョコも焼肉も、日頃のカロリー管理があってこそ。

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