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<美女たちの甘くて切ない食生活> 体操・田中理恵の忘れられない至福のディナー。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byTamon Matsuzono

posted2011/01/24 06:00

<美女たちの甘くて切ない食生活> 体操・田中理恵の忘れられない至福のディナー。<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

チョコも焼肉も、日頃のカロリー管理があってこそ。

 23歳ともなれば体重は安定期に入り、極端な増減を心配しなくてもいいのだという。田中の演技に華があるのは減量による悲壮感とは無縁だからかもしれない。

 他の好物もチョコレートというから、普通の女の子とまるで変わらない。なんでも体操選手にとってチョコを頬張るのは、試合前のルーティーンになっているとか。

「試合が始まる直前、チョコレートをひとかけ、口に入れてから演技に入ります。高級チョコ? そういうのじゃなくて、コンビニで買える安いものです。チョコレートは体操選手にとって切っても切れないもので、たとえば試技をする時に『ミスがなかったらチョコ1個ね』と選手同士で賭けたりするんです。ちょっとしたごほうびですね」

 演技前のチョコに、時に羽目を外しての焼肉。それが可能なのも、日体大の体操部寮では日ごろのカロリー管理が徹底されているからだ。アスリート向けの食事を専門に扱う会社に委託しているが、夕食の平均は700キロカロリー台。

「でも、大会後は豪華メニューになります」と田中が言う通り、12月23日にはスペアリブがメインに出されて1500キロカロリーを超えているが、その前後の日はカロリー控えめのメニューになる。大会でいい結果が残せたときは、委託会社からお祝いのメッセージも添えられるという。

 昨年末には、体操部の先生方と少しグレードアップした焼肉店で忘年会を楽しんだ。今年は世界選手権が東京で開かれるので、まずはその代表になって、焼き肉パーティの機会を増やすのが田中の目標だ。

Number770号 『僕はこんなものを食べてきた。~アスリート最強の食卓~』では、田中理恵選手のほかにも、潮田玲子(バドミントン)、萩原智子(競泳)両選手への連続インタビューを掲載。バドミントン界のアイドル特製のトマト鍋、現役復帰を果たした人気スイマーの苦しかった時期を支えた母親の愛情料理などのエピソードが満載です。

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