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斎藤佑樹の“プロ通用度”。
~3つのデータが語るものとは?~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

PROFILE

photograph byKYODO

posted2011/01/25 10:30

斎藤佑樹の“プロ通用度”。~3つのデータが語るものとは?~<Number Web> photograph by KYODO

 斎藤佑樹は、2011年のプロ野球の顔である。プロで1球も投げていない選手にこういうことを言うのは、一般論としては間違っているが、斎藤は、そういう一般論に収まる選手ではない。彼ほど多彩な物語を築いてプロ入りする選手は、日本野球の歴史上でも、ちょっと前例がないからだ。

 甲子園の決勝で引き分け再試合をやったのは彼が最初ではないが、その時、投げ合った投手が2人ともプロ入りするのは初めてのこと。斎藤が日本ハムに入ったことで、プロにおける田中将大との再戦には「北海道―東北」という近隣対決の意味合いも加わった。

 神宮では50年ぶりの早慶優勝決定戦で有終の美。チームメートの大石達也、福井優也もプロ入りしたが、特に大石は西武に入ったため「斎藤―大石」対決は、パ・リーグ優勝争いの中で実現する可能性もある。

斎藤を過去の事例と比較してみると……。

 ファンは斎藤を見に行くだけでなく、彼が展開する物語の続きを見に行くことになる。こういった知名度は、どのような大金をもってしても、買うことはできない。

 その斎藤は、実際、どれくらい活躍できるのか。これは、鳴り物入り新興企業の株式上場のようなものだろう。株価を正確に予想することなど誰にもできない。できることは、すでに分かっている過去の事例と比較してみることである。そこで斎藤に関しても、いくつかの、異なる視点から見てみよう。

 まず斎藤は日本ハムの1位指名投手である。日本ハム1位指名の大学生投手を、平成以降で見てみると、別表のようになっている。

●日本ハム1位指名・大学投手(平成以降)
 指名   投手名   大学   プロ最高成績 
 年   勝   敗   S   防御率 
 '06   宮本賢   早大   '09   0   0   0   3.07 
 '05   八木智哉   創価大   '06   12   8   0   2.48 
 '01   江尻慎太郎   早大   '07   7   4   1   3.33 
 '97   清水章夫   近大   '00   6   9   0   4.06 
 '93   関根裕之   東福大   '99   12   8   0   4.34 
 '89   酒井光次郎   近大   '90   10   10   0   3.46 

 21年間で6人を指名。その中で、2ケタ勝利を挙げたのは酒井光次郎、関根裕之、八木智哉の3人だ。さらに江尻慎太郎は救援で'07年に7勝4敗1セーブ4ホールドで優勝に貢献している。清水章夫も先発では最高6勝9敗だったが、その後救援で、オリックスに移籍したあと'09年に58試合1勝2敗0セーブ11ホールドを記録。6人中5人が1軍戦力になった。日本ハムスカウト陣の大学生投手に対する判断は、まずまずだったと言えるだろう。

 中でも酒井と八木の2人はプロ1年目に2ケタ勝利を挙げている。6人中の2人だから、3分の1の確率で1年目10勝以上というわけだ。これが斎藤に当てはまるかどうか。

【次ページ】 夏の甲子園優勝投手にとって最大のハードルとは?

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