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モイーズ電撃解任を徹底検証!
見えない未来とファーガソンの影。 

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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photograph byGetty Images

posted2014/04/23 11:25

モイーズ電撃解任を徹底検証!見えない未来とファーガソンの影。<Number Web> photograph by Getty Images

「選手たちは自分自身を恥じるべきだ」(ロイ・キーン)、「監督業には必ず2年の期間が与えられるべきだ」(ガリー・ネビル)。クラブのOBたちも一様に今回の早期解任には戸惑いを示している。

「いよいよ『審判の日』が来たかもしれないぜ。携帯の電源だけは入れておきな」

 4月21日、月曜日夕方。知り合いのイギリス人ジャーナリストから、突然SMSが届き始めた。程なくして、新聞各社がウェッブサイトで臨時ニュースを流し始める。マンチェスター・ユナイテッドはプレミアの35節で、エバートンに0-2で完敗。来シーズン、CLに出場する可能性が消滅したことを受け、クラブの役員会がデイビッド・モイーズ監督の解任を討議し始めたというのが、速報の内容だった。

 それから一夜明けた現地時間の朝8時30分。ユナイテッドの公式サイトはついに正式発表を行なう。

「マンチェスター・ユナイテッドは、デイビッド・モイーズがクラブを退団したことを発表致します。彼が職務に対して懸命かつ誠実に、そして一貫した姿勢で取り組んだことに対し、感謝の意を表したいと思います」

 10カ月に及ぶモイーズ政権は、素っ気ない短文とともに幕を閉じた。引導を渡されるきっかけになったのが、古巣であるエバートンとの試合だったというのは、モイーズにとって皮肉としか言いようがない。

関係者間では驚きではなかった“電撃解任”。

 解任報道が流れ始めてから、正式に発表されるまでの流れは急転直下だった。

 だが解任自体は驚きではない。モイーズの解任について感想を聞かれたギャリー・ネヴィルは「こういう展開は好きじゃない。6年契約を結んでいたのなら、もっとチャンスと時間を与えられるべきだ」と力説したが、クラブ側がよくここまで我慢したなという印象の方が強い。

 解任が驚きではない一つ目の理由は、惨憺たる成績だ。

 ユナイテッドを率いたモイーズは、スタートでいきなりつまずき、その後も不名誉な記録を刻んでいく。ウェストブロムウィッチやニューカッスルなどには、ホームで歴史的な敗北を喫し、エバートン、マンチェスター・シティ、リバプールにも、プレミア史上、初の2連勝を許してしまう。現時点での順位は17勝11敗6分で7位。残り4節にすべて勝利したとしても、'92年にプレミアが始まって以来、最少の勝ち点でシーズンを終えることが決定している。他方、FAカップでも、'79年以来となる3回戦敗退を余儀なくされている。

 ユナイテッドは、曲がりなりにも昨年プレミアを制したチームである。監督が変わった影響はあるだろうとは言われていたものの、シーズン開幕前、ここまでの不振を予想していた者は誰一人いなかった。

【次ページ】 CLという時限爆弾。

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