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待望のレギュラー中堅手、
大和が虎党に見せた光明。
~新庄、赤星の系譜を継げるか~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNaoya Sanuki

posted2014/04/12 10:30

待望のレギュラー中堅手、大和が虎党に見せた光明。~新庄、赤星の系譜を継げるか~<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

 プロ野球創設80年の節目を迎えた今年、開幕カードの巨人-阪神3連戦は、3試合で47安打27点という巨人打線の破壊力が際立つ結果となった。

 負け越した阪神は「若手が育っていない」「補強する外国人は使い物にならない」と言われ、第3戦では西岡剛も大怪我を負って戦線離脱。希望の灯を見出しづらい状況だが、ただ一人、攻守に渡る活躍で存在感をアピールした選手がいる。センターを守るプロ9年目の大和だ。

 阪神の外野手と言えば、福留孝介、今成亮太、俊介に加え、若手の一二三慎太、伊藤隼太と名前こそ揃っているものの、いずれも“帯に短し、襷に長し”。そんな中、かつて中村紀洋(現DeNA)、金本知憲らを育て上げた名伯楽・水谷実雄が昨年度打撃コーチに就任し、特に目をかけた一人が大和だった。結果、昨季は104試合に出場し、2割7分3厘とまずまずの成績を残している。

 水谷コーチは体調を崩し、1年でユニフォームを脱ぐことになったが、彼が最後に大和に伝えたことは、2ストライクと追い込まれた時、センターを中心に右方向に打ち返す技術を覚えろということだったという。

中村紀洋から右打ちを伝授され、2番センターの座を確保。

「わからなかったらノリ(中村)に聞け」

 と言われた大和は今オフを中村と共に過ごし、教えを乞うた。確かに松坂大輔、ダルビッシュ有らにも浴びせてきた中村の「右狙い」は天下一品。「打率が良くなって、年俸が上がったら3分の1持って来い」と冗談を言われたそうだが、指導の効果はテキメンだった。大和はオープン戦から好調を持続し、2番センターのレギュラーを奪取したのである。

「戦艦大和は沈没しましたが、僕はせっかく獲ったこの座をすぐには明け渡しません」と言うように、開幕からも必死だった。2日連続の猛打賞に加え、第2戦ではホームへの送球で巨人の片岡治大を刺し、強肩も見せつけた。そのタイミングはきわどかったものの、原辰徳監督は抗議をしなかった。それどころか「必死にプレーするのが伝わっていいね。ナイスプレーでしょ」とライバル球団の選手ながら賛辞を送ったのだ。

 阪神はセンターをここ数年固定できていない。かつては新庄剛志、近年では赤星憲広が務めたこのポジション。そこに今、待望の役者が座ろうとしている。

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