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“アマのプロ”日本人第1号、
清水聡のリオ五輪への挑戦。
~「村田を超える」メダルを狙え~ 

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2014/04/02 10:00

“アマのプロ”日本人第1号、清水聡のリオ五輪への挑戦。~「村田を超える」メダルを狙え~<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

ロンドン五輪でメダルを噛む清水。ボクシングでのメダル獲得は、44年ぶりの快挙だった。

 ボクシングのプロ・アマ関係が少しややこしくなってきた。

 先頃伝えられた、ロンドン五輪バンタム級銅メダリスト・清水聡のAPB参戦というニュース。APBとは「AIBAプロフェッショナル・ボクシング」の略で、アマチュアの世界的統括組織であるAIBA(国際ボクシング協会)傘下に新たに設立されたプロ組織のこと。'16年のリオ五輪からボクシングもプロに門戸を開くのだが、出場資格があるのは“アマのプロ”、すなわちAPBとWSB(ワールドシリーズ・オブ・ボクシング)の選手に限定される。既存のプロ選手は事実上出場できないのだ。

 清水はAPBの日本人第1号となる。APBから指名され契約すると、契約金やサラリーが支給され、試合報酬もある。1試合何億円も稼ぐ選手がいる既存のプロほど大きな金は動かないが、五輪出場資格を失わないのは魅力。しかもAPBランキング各階級上位6名(ヘビー&スーパーヘビーは4名)に五輪出場資格を与えるという優遇策もある。

「リオで金メダル獲って、村田を超える」は本気の言葉。

 長年低迷の続いた日本ボクシングはロンドン五輪で村田諒太の金、清水の銅と、史上初めて複数メダルを獲得した。

 大会直後は金メダル獲得の村田に注目が集まったが、その直前に清水がやってのけた「奇跡の逆転判定」の末の銅獲得は、続く村田に勢いをもたらした。予選2回戦では相手を6度も倒しながら、審判の不当な判定によりまさかのポイント負け。納得できない清水本人の強い要請を受け、日本チームが正式に抗議すると、これが認められて一転、清水の勝利になった。五輪ボクシング史上に名を残すであろう異例の事件だった。

 清水は180cm近い長身を生かしたサウスポーのボクサーパンチャー。現在28歳、2年後のリオ五輪でもまだ脂の乗った年齢であり、現時点では日本選手の中でメダルを狙う最右翼だろう。清水のAPBでの現役継続で一番喜んでいるのは、日本連盟の幹部たちかもしれない。

 現在、清水は自衛隊の三等陸尉だが、国家公務員は兼業を禁止されているため3月一杯で退職する。既存のプロで活躍する村田とは親友であり、ライバル。以前に「リオで金メダル獲って、村田を超えます」と冗談のように言っていたが、どうやら本気のようだ。

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