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キャリア構想も新時代へ。
海外移籍、各選手の“選択”。
~川澄と鮫島、近賀と大野の挑戦~ 

text by

江橋よしのり

江橋よしのりYoshinori Ebashi

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photograph byKYODO

posted2014/03/22 10:30

キャリア構想も新時代へ。海外移籍、各選手の“選択”。~川澄と鮫島、近賀と大野の挑戦~<Number Web> photograph by KYODO

 なでしこジャパン主力選手の海外移籍が相次いでいる。川澄奈穂美(INAC神戸)が米国のシアトルに、鮫島彩(ベガルタ仙台)が同国のヒューストンに移ることを発表し、近賀ゆかり(INAC神戸)と大野忍(エルフェン埼玉)はイングランドのアーセナルへと進出する。米国リーグは4月12~13日に、イングランドリーグは16~17日に開幕を迎える。

 彼女たちは皆、実力の向上を目指して海外の舞台を選んだ。同時に、女子サッカー界の世界王者として「ジャパン・クオリティを輸出する」という共通の使命感を抱く。川澄が「日本人の力を見せつけるという強い気持ちで臨む」と述べれば、大野は「アーセナルがこの二人を獲ってよかったと思える結果を出したい」と意気込む。なでしこの技術と知性で、女子サッカーをさらにクリエイティブかつイマジネイティブにしたいという狙いは、獲得先のクラブも思い描くところだ。

 欧州移籍には、男子の一流のサッカーを間近で、リアルタイムで見られるという利点も付いてくる。男子から得る刺激や学びは女子選手たちにとって大きいようで、なでしこジャパンが欧州に遠征する際も複数の選手が同様のことを口にするほどだ。

8月までは米国、9月以降は日本でプレーする選択。

 川澄と鮫島の米国組は、別のメリットを選んだ。米国リーグは4月から8月までと短い。川澄は言う。

「9月からはINAC神戸に戻ってプレーします。日本が好きだし、日本で成長したいという思いも強いので、1シーズンに2つのリーグでプレーできる米国を移籍先に選びました」

 鮫島も同じく9月から仙台に復帰することを明言した。人気選手の海外進出には「国内リーグの空洞化」という悩みもつきものだが、川澄と鮫島が掲げる日米デュアル・キャリア構想は、それを覆す。

 ちょうど今季から、なでしこリーグはポストシーズン制の導入を決めた。8月中旬までにレギュラーシリーズ全18節を消化し、その後上位6チームと下位4チームに分かれたプレーオフ(名称はエキサイティングシリーズ)を行なう。順位争いが白熱する時期に、彼女たちが「逆輸入助っ人」として参戦することは、なでしこリーグを盛り上げる一因として期待できそうだ。

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