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米ツアー初優勝は秒読み?
松山英樹の波に乗る力。
~“あと一歩”の壁を打ち破れ~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byGetty Images

posted2014/02/19 06:10

米ツアー初優勝は秒読み?松山英樹の波に乗る力。~“あと一歩”の壁を打ち破れ~<Number Web> photograph by Getty Images

 ゲームの波に乗るという言葉がある。目に見えない“空気感”や“流れ”をつかんで、最終日まで優勝争いの渦の中から弾き出されることなく、うまく波とサーフボードを操っているような感覚とでもいおうか。左手負傷から復帰2戦目の米ツアー、フェニックス・オープンでの松山英樹のゴルフが、まさに“ゲームの波にうまく乗れた”戦いだった。

 結果的には4位だったが、米ゴルフメディアや関係者の評価は、また上がった。著名なティーチングプロのピーター・コスティスは「彼のスイングリズムは、最高にいい」と賞賛したという。

 初日は66で10位発進。2日目は3打差の暫定5位。3日目は首位と3打差の3位。まさに優勝争いをする絶好のポジションで最終日を迎えた。松山は13番で3つ目のバーディを奪い、首位と1打差で終盤に。だが、16番で痛恨のボギー。さらに17番でのバーディチャンスを沈められず2打差の4位に留まった。

「悔しいです」と語った松山の表情は、今季米ツアー初優勝が秒読みであることを予感させた。

「ギャラリーを味方にする」術を習得すれば……。

 なぜなら、終盤の16、17番のミス以外は、米ツアーでゲームの波に乗れたこと、その感触が身についたこと、最終日まで自分のプレーができたことなどの収穫があったからだ。

 あと一歩……。実は、これが最も難しい。勝者との2打差は、近いようでなかなか届かない壁がある。でも松山は、実戦で吸収してそれを活かす能力が優れている。勢いのある今のタイミングならば、その壁を破ってくれるに違いない。

 とりわけこのフェニックス・オープンは、期間中に56万人を超えた、米ツアーで最もギャラリー数が多い大会だ。

 16番、パー3ではホールをぐるりと囲む観客席があって、そこだけで2万人を超す視線が注がれる。そんな熱狂の中で優勝争いをした経験は、今後のトーナメントの戦いに活かされるはずだ。

 強いて言えば「ギャラリーを味方にする」という術を習得したならば、もっと気持ちよく波に乗れるのかも知れない。

 FABULOUS(信じられない、途方も無いほど素晴らしい)プレーヤーと評された松山の注目度は、すでに日本だけのものではない。

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