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正捕手鶴岡を手放した
日ハム、異例の決断のワケ。
~横浜高出身3年目、近藤への期待~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/02/03 06:15

正捕手鶴岡を手放した日ハム、異例の決断のワケ。~横浜高出身3年目、近藤への期待~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

「捕手が安泰ならば、球団は10年もつ」と言われるほど重要なポジションを巡って今オフ、日本ハムが下した決断は、常識では考えられないものだった。昨年も114試合に出場し、2割9分5厘の打率を残した12年目の主戦捕手・鶴岡慎也を、FA宣言をしたからといって簡単に放出してしまったのだ。

 鶴岡はまだ32歳。インサイドワークに長けた捕手の一人で、ダルビッシュ有のような個性の強い投手を気持ちよく投げさせる術も心得ている。

 だが、投手を乗せるのは上手だが、若手を引っ張るタイプではなかった。これまでコーチ会議などでしばしば俎上に載ったのが、鶴岡の「投手言いなりのリード」。チームの若返りを図る日本ハムにとっては、強気で投手を引っ張る捕手こそが求められていた。さらにその背景には、横浜高出身の3年目、近藤健介を一人前に育てたいという思惑がある。

恩師・渡辺元智への挨拶に込めた近藤の揺るぎない決意。

 173cmと小柄ながらパンチ力のある打撃、そして二塁送球が2秒を切るという強肩が持ち味。遊撃、右翼をこなす器用さも持ち合わせている。その近藤に、バッテリーコーチを兼任している中嶋聡が「一人前になる」と太鼓判を押しているのだ。

 中嶋と言えば、山田久志、佐藤義則らの阪急勢にはじまり、渡辺久信、松坂大輔、西口文也ら西武勢、三浦大輔ら横浜勢、そして日本ハムに来てからはダルビッシュらの球を受けてきた百戦錬磨の捕手である。この2年間、イースタン・リーグでは一時打率部門の首位に立つなど結果を残しながら、昨年は一軍出場が32試合に留まった近藤にとって、またとないチャンスが訪れたのは確かなようだ。

「ここでチャンスをものにできなければ、一生順番は回ってこない」。横浜高の恩師・渡辺元智への挨拶で、近藤はそんなことを語っていたという。

 近藤が4位で指名されたのは2011年、日本ハムが菅野智之(巨人)を強行指名したことで非難の嵐にさらされたドラフトだった。当時、菅野と近藤を共に担当したスカウトの岩井隆之も「近藤の頑張りには助けられています」と、3年目のさらなる成長に期待をかけている。大谷翔平、斎藤佑樹、吉川光夫など、もう一段上へのステップアップが必要な若手投手が揃うチームを、恐れ知らずの近藤の強気なリードが牽引するだろうか。

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