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ベイルの穴は180億でも埋まらず?
ビラスボアス、“2年連続”の解任劇。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2014/01/01 08:01

ベイルの穴は180億でも埋まらず?ビラスボアス、“2年連続”の解任劇。<Number Web> photograph by AFLO

リバプール戦後、失意の内にピッチを後にするビラスボアス。翌日クラブから解任が発表された。

 12月16日、トッテナムがアンドレ・ビラスボアスの監督解任を発表した。プレミアリーグ第16節、ホームでリバプールに0-5で敗れた翌朝の出来事だった。

 就任2年目ではあったが、開幕から4カ月での解雇はタイミングの面で同情の余地がある。今季のトッテナムは、レアル・マドリーへと移籍したギャレス・ベイルの穴を総合力アップで埋めるべく、大量7名の新戦力を加えていた。常識的に考えれば、チームとして機能するまでに時間がかかっても無理はない。

 加えて、最も期待された新トップ下のクリスティアン・エリクセンが故障がちで、リバプール戦では、DF陣も怪我で手薄の状態だった。リーグ順位にしても、7位での解雇とはいえ、今季のノルマと思われるトップ4までは、まだ5ポイントの距離。一昨季、就任7カ月で首を切られたチェルシーに続き、トッテナムでのプレミア再挑戦でも十分な時間を与えられなかった点は残念だ。

 それ以上に残念なのが、ビラスボアス自身が失敗から学べなかったこと。チェルシー時代と同様、トッテナムでも自ら墓穴を掘った感がある。戦術面では、前任地で「あり得ない」とまで言っていたカウンターを良しとするなど、昨季の段階から、信条とするポゼッション・サッカーのスタイルに柔軟性を加えていた。だが、人心掌握の面では、再び周囲との間に心の溝を生んでしまった。

180億円以上の補強を受け、経営陣は4位を絶対条件にした。

 最初に解任の噂が立ったのは、マンチェスター・シティに0-6で敗れた第12節。この時点で、リーグ戦3試合連続の無得点で勝ち星に見放されたトッテナムは、第10節終了時の4位から9位に転落し、フットボール・ディレクターのフランコ・バルディーニが、ルイス・エンリケ(現セルタ・ビゴ監督)に接触するのではないかと言われた。

 ヨーロッパリーグでは、順調に得点とポイントを重ねていたが、そのステータスも収益規模もCLに劣る同大会は、ベスト4あたりまで進まなければ、経営陣の頭の中には入ってこない。夏の補強に180億円以上を費やしたとなれば、尚更、CL出場を意味するリーグ4位以内への意識が強まるというもの。帳簿上はベイル売却益で相殺されたとしても、巨額の支出という経営者の認識は変わらない。

【次ページ】 アデバヨール、デフォーというFWの人心掌握失敗。

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