セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
本田圭佑、夢を叶えたミランの10番。
カカが、バロテッリが彼を待っている。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byPICS UNITED/AFLO
posted2013/12/12 13:00
「Wカップで有名になって、ぼくは外国から呼ばれてヨーロッパのセリエAに入団します。そしてレギュラーになって10番で活躍します」という小学校の卒業文集の夢を、本当に実現した本田。
本田圭佑のACミラン入団が正式に発表された。
CLグループリーグ最終節を当夜に控えた11日の昼、対戦相手のアヤックス首脳陣とのUEFAミーティング・ランチを前に、現地報道陣の囲み取材を受けたミランのガッリアーニCEOが公にしたもので、彼は「これまで秘密だった本田の獲得を今日、ようやく明かすことができる」と解放感たっぷりにくり返した。
前夜のCLビクトリア・プルゼニ戦は、本田にとってCSKAモスクワでの最後の試合だった。
「公表するにあたって、イタリアサッカー協会へ契約書の法的実効性を確認した。これから日本とやり取りしながら、当局へ労働ビザ発給を申請することになる」
そこまで一気に語ると、ガッリアーニは、クリスマスプレゼントを枕元に置くサンタクロースの顔で、残されていた秘密を明かした。
「本田の背番号は、10番だ」
注目度、影響力でも群を抜くミランは別格。
近年、凋落傾向にあるとはいえ、ACミランが欧州サッカー界きっての名門中の名門であることには変わりがない。
7度の欧州制覇と18回のスクデット、そして4度のクラブ世界一を成し遂げたクラブは他にはない。生粋のユベンティーノかインテリスタでない限り、あらゆるサッカー少年がミランでプレーすることを夢見る。
メディア王であるオーナー兼名誉会長シルビオ・ベルルスコーニの肝いりもあって、国内外への注目度や影響力は、他のセリエA強豪とも一線を画している。
今年6月のコンフェデレーションズ杯後に、本田のミラン移籍報道が過熱した。あらゆる現地スポーツ紙の1面トップで、「HONDA」の文字と写真が連日派手に競演した。
2001年に、中田英寿がローマからパルマに移籍したときもそれなりにセンセーショナルだったが、今年の“ミラン本田誕生”に匹敵するほどのインパクトと報道量はなかった。ミランは別格なのだ。