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FAランクと死球王。
~秋信守に見る「当たり屋」の系譜~ 

text by

芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2013/11/30 08:01

FAランクと死球王。~秋信守に見る「当たり屋」の系譜~<Number Web> photograph by Getty Images

四球数を昨季の73から112に伸ばし、メジャー9年間で自己最高の出塁率をマークした秋信守。

「ザ・ライター50」というリストがある。スポーツ・イラストレイテッド誌でお馴染みのベン・ライター氏が作成するFA選手のランキングだ。私は、このリストをけっこう楽しみにしている。一種の番付なのだが、評価の基準がなかなか面白く、意外な選手が上位にランクされることも珍しくない。

 2013年の1位は、予想どおりロビンソン・カノだった。2位にランクされたのは、これまた順当にジャコビー・エルズベリー。大リーグ入りが確実視される田中将大も5位にランクされ(投手だけなら、なんと1位だ)、前評判の高さをうかがわせている。

 以下、上位の選手を挙げていくと、

(3)秋信守
(4)ブライアン・マッキャン
(5)田中将大
(6)マイク・ナポリ
(7)アーヴィン・サンタナ
(8)ウバルド・ヒメネス
(9)マット・ガーザ
(10)ネルソン・クルーズ

 といった感じで、カルロス・ベルトランが11位、黒田博樹が12位、カーティス・グランダーソンが13位にランクされている。

4割2分3厘という圧倒的な出塁率。

 私がおやと思ったのは、秋信守の高評価だ。スピードとパワーの両方に恵まれ、このところ進境が著しいことには気づいていたが、FA選手全体で3位という評価は意外だった。

 韓国出身の秋は、'82年7月生まれの31歳だ。左打ちの外野手で、2012年12月、インディアンスからレッズに移籍した。ダイヤモンドバックスも加えた三角トレードの結果である。2013年の成績は興味深い。打率=2割8分5厘/出塁率=4割2分3厘/長打率=4割6分2厘/本塁打=21本/盗塁=20。

 20本塁打/20盗塁も一番打者としては立派だが、それよりも眼を奪うのは出塁率の高さだ。2004年にイチローが年間262安打の偉業を達成したときでさえ、その出塁率は4割1分4厘だった。だとすれば、これは相当の数字といわなければならない。

【次ページ】 リーグ2位の四球と、1位の死球で出塁する。

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