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駒大2冠で見えた
箱根の「主導権争い」。
~今季の駅伝は序盤戦に要注目~ 

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph byAsami Enomoto

posted2013/11/21 06:00

山梨学大・モグスの持つ区間記録を更新した駒大4区の村山謙太。

山梨学大・モグスの持つ区間記録を更新した駒大4区の村山謙太。

「想定通りのレースです。もう、悪いところはない。今日は満点!」

 11月3日に行なわれた全日本大学駅伝を制した駒大の大八木監督はえびす顔。それはそうだろう。ライバルと目された2位の東洋大に3分以上の大差をつけたのだから。

 これで駒大は箱根駅伝の前哨戦となる出雲、全日本を終えて2冠。早大以来3年ぶりとなる3冠達成も現実味を帯びてきた。

 今年の駒大の強さは「四枚看板」の存在。全日本でも1区中村匠吾、3区油布郁人、4区村山謙太、8区窪田忍がライバルを圧する走りを見せた。前半に村山までの3人の力でリードを奪い、アンカーの窪田がとどめを刺すというレースパターンを確立した。

 今季の駅伝の鍵は、「主導権」という言葉に集約される。

駒大自慢の四枚看板に対して、東洋大は巻き返せるか。

 各校とも前半に主力選手を惜しみなく投入し、まずは主導権を握りたい。そうすれば後続の選手たちが十分に力を発揮することが出来、セーフティリードを保てるからである。

 全日本では東洋大が1区に設楽悠太、2区に服部勇馬を配して1分以上の差をつけることを目論んだが、2区終了時点で駒大に対してわずか34秒という貯金しか作れなかった。

 対する駒大は4区の村山が区間新記録の走りで東洋大を逆転、一気に1分33秒の大差をつけて主導権を完全に掌握した。

 その後、東洋大の選手は前半飛ばして後半失速、反対に駒大の選手は前半を落ちついて走り、後半に差をつけるパターンを繰り返し、これが駒大の圧勝劇につながった。

 敗れた東洋大の酒井監督は、「これまでの駒大はどちらかといえば、『流れに乗れれば』というチーム。ところが、今年は四枚看板が『流れを作る』集団になっています。最近、エースの力は均等化していて大差がつくことはなく、むしろチームの5番手、6番手の差が順位につながることが多かった。ところが今年の彼らの力は図抜けていて、エースの力で勝負がついている。ウチとしては設楽兄弟、田口(雅也)といった選手が奮起しないことには太刀打ちできないです」と敗因を分析していた。

<次ページへ続く>

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