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<女子ゴルフ・クライマックス> 森田理香子 「賞金女王へ最後の試練」 

text by

月橋文美

月橋文美Ayami Tsukihashi

PROFILE

photograph byToshiya Kondo

posted2013/11/14 06:01

国内女子プロゴルフツアーが佳境を迎えている。
初戴冠を目指す23歳の新鋭・森田理香子は、
横峯さくらの激しい追い上げを受けている。
勝利か敗北か――。若き挑戦者の内面に迫った。

 理香子か、さくらか、それとも――。

 今季国内女子プロゴルフツアーは、いよいよ大詰め。賞金女王争いはラスト3試合にもつれ込んでいる。

 3月の開幕戦Vから6月までに3勝、シーズンを通して賞金ランキングトップを走ってきたのは、23歳・森田理香子。自身初の戴冠へ、そして4年ぶりの日本人女王誕生へ、大きな期待を背負って今季ツアーを牽引してきた。だが、夏場以降調子を落とし、一時は2位に3000万円以上の差をつけ独走状態だった女王レースでも、10月に今季3勝目を果たした横峯さくらに約360万円差(11月9日時点)まで詰め寄られている。

 まさに正念場。森田は今、これまで味わったことのない重圧、解放されることのない息苦しさに締めつけられながら、残りわずかな2013シーズンを戦っている。最終戦最終日は12月1日。その両手は、国内最高位を示すクリスタルトロフィーを掴むことができるだろうか。

横峯の好調ぶりの一方で、夏場に調子を落とした森田。

 最後の試練が続く。11月に入り、各メディアに躍るのは「さくら、逆転女王へ」の文字ばかり。シーズン中盤から足踏みしていた横峯は、9月、10月と1勝ずつを挙げ、一気に調子を上げてきた。ランク3位以下の佐伯三貴、アン・ソンジュ、吉田弓美子、イ・ボミらにも、可能性が残るとはいえ、今季賞金女王争いは、森田と横峯の一騎打ちで最終戦を迎えそうだ。

'09年に4000万円差を逆転、女王となった横峯さくら。

 横峯の好調ぶりとは対照的に、森田の数字は上がっていない。初の海外メジャー挑戦となった、8月の全英リコー女子オープンから帰国後は、2度の予選落ちがある上、ベスト10フィニッシュも2回だけ。10月に入り、日本女子オープンとスタンレーレディスで2週連続4位となり復調の兆しを見せたが、その後の3試合は再び低迷している。森田はこう話す。

「調子は悪くない。ショットは許容範囲内に収まっているし、パッティングも自分の思ったところへ打ててる。あとは運とか、だと思うんですが。毎日、ずっとやってること(練習)を続けるだけです」

 '09年に賞金女王に輝いている横峯は、女王争い初体験の森田に比べ、精神面ではかなり有利と言えるかもしれない。今季はここまで追う立場で来ていることも、気楽に闘える要素だろう。現状を見て、世間が「さくら有利」と騒ぎ立てるのも、もっともだ。だが、ここから新時代を築いていくはずの森田だからこそ、この苦境を克服しなければならない。

<次ページへ続く>

【次ページ】 「賞金女王もやらなきゃいけない」

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