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「スマイルジャパン」の大きな野心。
5カ国対抗戦で得たメダルへの手応え。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTakao Fujita

posted2013/11/14 10:30

「スマイルジャパン」の大きな野心。5カ国対抗戦で得たメダルへの手応え。<Number Web> photograph by Takao Fujita

晴れ舞台、ソチ五輪へ向けて強化が進む、スマイルジャパン。世界ランク10位、メダル獲得は決して非現実的な目標ではない。

 高橋大輔と浅田真央に注目が集まった11月第2週に、同じ氷上でソチ五輪への試金石となる大会が行なわれた。女子アイスホッケーの5カ国対抗戦である。

 2月の最終予選で'98年以来2度目の出場権を勝ち取った『スマイルジャパン』こと女子日本代表は、ここまで3度の国内合宿と2度の海外遠征で強化をはかってきた。日本と同じくソチ五輪に出場するスイス(世界ランキング5位)とドイツ(同7位)に、スロバキア(同8位)とチェコ(同9位)を加えた4カ国に挑む大会を、飯塚祐司監督は「我々がどこまで成長できているのかを確認する機会」と位置づけた。

 日本は4日連続で4試合を消化するが、来日した4カ国は3試合しか行なわない。変則的なスケジュールが組まれたのは、ランキング上位国との対戦でチームの現在地をはかりつつ、来月に発表される五輪出場メンバーの絞り込みを進めるためだ。

 11月7日の初戦はチェコと激突した。

 5日午前に来日したばかりの相手に対して、日本は第1ピリオドを2-1で、第2ピリオドも3-2とリードして終える。ところが第3ピリオドに3失点を喫し、4-5の逆転負けを喫してしまった。

 試合後の飯塚監督は「4得点は評価できるが、今日は勝たなきゃいけない。相手はコンディションも良くないですし」と切り出した。さらに「相手のスコアにつながった小さなミスを無くさないと、上位国とは戦っていけない」と修正点をあげた。

 チームの3点目をあげた床亜矢可(とこ・あやか)も、指揮官に同調する。

「明日以降の3試合では、もっともっと日本らしいホッケーをしなきゃいけないです」

スロバキアに6-0と圧勝しても、スマイルは出ず。

 アジア勢で唯一のソチ五輪出場を決めた日本の強みは、60分間にわたって足を止めないハードワークだ。攻守の切り替え、動き出し、判断のスピードなどの速さを磨き、局面を制していくのがチームの持ち味である。

 果たして、スロバキアとの第2戦ではスピード感溢れるプレーを披露する。2月の最終予選で対戦した時には、62本のシュートを浴びせながら無得点に終わり、0-0からゲームウィニングショット(サッカーのPK戦のようなもの)で敗れた相手を、6-0で粉砕したのだ。

 それでも、“スマイル”はなかった。

「スロバキア戦はいつも、相手GKに止められていた。今日はそのGKが出ていなかったですし、これまでもあまり失点はしていない。結果は妥当だと思います」

【次ページ】 1対1の競り合いが、五輪へのバージョンアップ。

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