SCORE CARDBACK NUMBER

誰もが喜ぶ“CLの前菜”、
UEFAユースリーグ新設。
~ジダンJr.も出場、若手の登竜門~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/10/21 06:00

レアル・マドリーのユースで10番を背負う、ジダンの息子エンツォは1995年生まれの18歳。

レアル・マドリーのユースで10番を背負う、ジダンの息子エンツォは1995年生まれの18歳。

 欧州で「もうひとつのチャンピオンズリーグ」が話題になっている。

 今季幕を切った19歳以下のクラブ国際大会、UEFAユースリーグだ。同大会は若手のためのCLとも言われ、グループ組み分けや試合日程もCLとほぼ同じ。試合時間はCLとずらしてあるため、夕方に前菜としてユースリーグを観戦し、その後メインディッシュのCLを味わう、という見方をすることもできる。

 UEFAのプラティニ会長は「欧州中のファンが、将来性あるタレントを生で見ることができるようになる」と話した。事実、CL出場クラブのユースだけあり、各クラブとも多くの才能ある若手を抱えている。レアル・マドリーのユースにはジダンの息子エンツォがおり、父親譲りのしなやかさは見る目を引く。シャビ・アロンソの後継者とされるマルコス・ジョレンテなど技術の高い選手は多く、試合としても十分に楽しめるレベルだ。

 クラブにとってありがたいのは、トップチームで出場機会のない若手を起用する機会が増えることだろう。特に若手育成で知られるアーセナルのベンゲル監督は「素晴らしい試みだ。UEFAとともにぜひ成功させたい」と手放しで絶賛。CLに出場するような強豪クラブのトップチームの門は狭く、若手の出場機会の少なさはどの監督にとっても悩みどころだったが、ユースリーグ創設は彼らの悩みを解決してくれるものでもある。

数年後には“バルサの久保建英”が出場する可能性も。

 監督だけでなく、選手にとっても大きなプラスだ。国外の強豪クラブとの真剣勝負は貴重な経験となるだけでなく、選手たちはひと足先にCLの空気に触れることができる。トップチームの憧れの選手と共に海外遠征をすることも、高いモチベーションに繋がるだろう。同大会は19歳以下であればどの選手にも出場資格があるため、飛び級で若手が参加することも可能だ。例えばバルサの下部組織に所属する久保建英なども、数年後にこの大会に出ている可能性もある。

 各クラブは国内リーグでCL出場圏内に入ればユースリーグの出場権まで手にすることになるため、いままで以上にCL出場の価値は上がっていくだろう。ファン、クラブ、選手、UEFAのすべてに恩恵をもたらすユースリーグ。その創設は近年のUEFAにおいて最もクレバーな決断だった。

関連コラム

ページトップ