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1試合の報酬は50億以上。
メイウェザー“長寿”の秘訣。
~15年間無敗の稼げるボクサー~ 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/10/14 08:01

声援に応えるメイウェザー。この一戦以上にファンを満足させるマッチメイクは難しいとも。

声援に応えるメイウェザー。この一戦以上にファンを満足させるマッチメイクは難しいとも。

 プロボクシングは「格差社会」が当たり前の世界。ピンは1試合で何十億も稼ぐスーパー王者から、キリは6万円の4回戦ボーイまで。現在ピラミッドの頂点に君臨するのは、「マネー」がニックネームになったフロイド・メイウェザー・ジュニアである。

 9月14日、ラスベガスで行なわれたスーパーウェルター級王座統一戦では、メキシコのアイドル、サウル・アルバレスの強打を封じて12回判定勝ち。この1試合だけで、報酬は推定50億円以上というから、べら棒な数字だ。

 米国のボクシングではペイ・パー・ビュー(PPV)が普及して以降、巨大なマネー・ゲームが展開されている。ビッグマッチで1試合50ドル前後を払ってテレビ観戦するが、それが今回は65ドル、さらに高画質の場合は75ドルで視聴申し込みを受け付けたというから、強気商法にはあきれるばかり。それでも今回は全米で248万件の自己記録を樹立した'07年の対デラホーヤ戦に迫る勢いで、メイウェザーへの報酬は最低保証金だけで41億円、これにPPVの売り上げ増による上乗せ分が加わるという。

最近の年間試合数は1、2度だから“長寿”を保てる。

 世界チャンピオンになった'98年以来、5階級を制してなお不敗を維持し、15年間も世界のトップに君臨し続けているという実績が圧倒的人気の秘訣だろう。その曲芸師かダンサーのような身のこなしで相手のパンチをかわす天才と、リング外の王様のような振る舞いは、日本の若い選手の間でも憧れとなっている。

 だが、メイウェザーはよくある優等生的ヒーローではない。昨年は元恋人に対するDVで有罪判決を受け、2カ月間「世界一リッチな受刑者」として鉄格子の中で過ごした。おかげでこの年は1度しかリングに上がれず、フォーブス誌のスポーツ所得番付の1位の座を明け渡したが、今年は2試合をこなし、次の発表でトップに返り咲くことが確実視されている。

 アルバレス戦では若干の勘の衰えも感じさせたが、36歳にしてなお「パウンド・フォー・パウンド」最強の座を維持するのは只者ではない。そこまでの長寿の秘訣は、元々打たせないこと、そして試合数が最近は年に1、2度と少ないことだろう。1試合で大金を稼ぐのだから当然の選択だが、お金で“寿命”を買える希少な存在なのかもしれない。

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