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助監督の解雇は「バルサ化」の布石?
王者チェルシー、失速の真相。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byAction Images/AFLO

posted2010/12/10 10:30

助監督の解雇は「バルサ化」の布石?王者チェルシー、失速の真相。<Number Web> photograph by Action Images/AFLO

昨季はクラブを4季ぶりのプレミア優勝に導いたのに、すでに今季限りとも噂される監督のアンチェロッティ。もはや続投にはCL制覇しかない!?

 11月末のプレミアリーグ第15節、チェルシーが首位の座をマンチェスターUに明け渡した。開幕からトップに立っていたのだが、11月は5試合で1勝3敗1引分けと、突然の不振に陥った。

 7日の11節リバプール戦(0-2)でのショックからは、3日後のフルハム戦(1-0)で立ち直ったかに思われた。しかし、サンダーランドをホームに迎えた13節でまさかの完敗(0-3)。翌週のバーミンガム戦(0-1)でも、内容では敵を上回ったが、結果としては4年ぶりのリーグ戦2連敗を喫した。28日のニューカッスル戦(1-1)では、前半早々に守備のミスで先制点を献上。1999年以来となる3連敗こそ免れたが、3試合連続でポイントを落として2位に落ち、3位のアーセナルにも勝ち点では並ばれた。

出場停止に負傷欠場……相次ぐ選手の離脱で戦力は低下。

 チェルシーのスランプには2つの要因が考えられる。

 1つは選手層の問題だ。「薄い」という表現は不適当だが、昨季ほどの「厚みがない」ことは事実。特に、ミヒャエル・バラック、デコ、ジョー・コールらが抜けた中盤のバックアッパーは格段にスケールダウンした。

 13節からの3試合は、長期欠場中のフランク・ランパードに加え、マイケル・エッシェンも出場停止で不在だった。サンダーランド戦で、両レギュラーに代わって3センターの両サイドに入ったのは、ユーリ・ジリコフとラミレス。軽量級の前者とプレミア1年目の後者は、敵の果敢なプレスを受けてはボールを失った。

 続く2試合では、FWとして好調だったフローラン・マルダが2列目で起用された。中盤の守備を支える23歳のボランチ、ジョン・オビ・ミケルの負担はさらに増し、余裕のなさからミスが目立つようになった。ニューカッスル戦での失点はCBのアレックスからキーパーへのバックパスを拾われたものだが、そもそもの原因は、アレックスをパニックに陥れたミケルの不用意なパスにあった。

 今後の見通しも明るくはない。

 エッシェンの出場停止は解けたが、ランパードは、8月末に戦線を離脱して以来、復帰間近に怪我が再発する悪循環に陥っている。復帰後も、鉄人の如く先発出場を重ねた以前の姿は取り戻せないかもしれない。守備の要であるジョン・テリーにしても、かつては怪我をおして出場していたが、神経痛の悪化で「引退後に障害が残るような事態は避けたい」と訴えている。定期的な休養が必要になりそうだ。ところがクラブは、さらなる長期欠場者でも出ない限り、今冬の移籍市場では動かないと見られている。

【次ページ】 助監督の解雇はオーナーに対する失言が理由か。

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