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アクエリアス「未来への夢はじめよう。プロジェクト」で受け継がれる北島康介の遺伝子。 

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川上康介

川上康介Kosuke Kawakami

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posted2013/09/27 13:50

アクエリアス「未来への夢はじめよう。プロジェクト」で受け継がれる北島康介の遺伝子。<Number Web>

「目標という階段をひとつずつ昇っていくことが大きな夢につながっていきます。僕はみんなに夢への階段を作ってあげることで、その夢をサポートしていきたいと思っています」(北島康介選手)

 9月22日、町田市立室内プールで開催された「アクエリアス 未来の夢始めよう。プロジェクト」(以下夢プロ)。 「水泳を通して子供たちの夢へのチャレンジを応援したい」という北島康介選手と日本コカ・コーラ社のタッグで2006年にスタートしたこのプロジェクトも今年で8年目。水泳指導を前に行われたトークセッションで、北島選手の話を聞きながら100人の小学生の目が輝き始める。

 この日は、サプライズゲストとしてロンドン五輪銅メダリストの萩野公介選手と平泳ぎ200m世界記録保持者の山口観弘選手も登場。

「僕は子供のころから世界的な大会で泳ぎたいという夢を持っていました。たとえば、隣りで泳いでいる選手に勝つというような小さなことの積み重ねが世界に繋がっていきます」(萩野選手)

「僕はずっと北島選手に勝ちたいと思って水泳を続けてきました。でもまだ大きなレースで勝てていないので、その夢を叶えられていないんです(笑)」(山口選手)

 続いて行われた水泳教室には、3選手に加え、北島選手が設立したスイミングクラブ「KITAJIMAQUATICS」のインストラクターも参加。

「2020年のオリンピックスイマーが生まれたら嬉しい」

 25m×8本のウォーミングアップに始まり、萩野選手が普段行っている練習メニューに挑戦するなど、50分間の本格的な内容で、終了後の子供たちから「疲れたー」という声が上がったほどだった。実は水泳教室の内容を考えているのは、北島本人。ここには彼のメッセージが込められている。

「もちろん楽しんでもらうのが一番だけど、楽しいだけにはしたくありませんでした。より水泳を知ってもらうためにも真剣度の高い内容にしました。トップスイマーの練習を体験することで、何かを感じ取って、普段の練習にも役立ててくれたらいいなと思っています。この子供たちのなかから2020年のオリンピックスイマーが生まれたら嬉しいし、今日の僕たちとの出会いがそのきっかけになったりするといいですよね」(北島選手)

 北島康介のスピリットを次世代に――イベントのプロデューサー役である日本コカ・コーラ マーケティング本部スポーツカテゴリーの鈴木理マネージャーが「夢プロ」の意義を語る。

「夢を持つことの大切さ、そしてその夢を叶えるためには前向きにチャレンジし続けなければならないということ。これは北島選手とアクエリアスに共通した思い、テーマです。最初は緊張していた子供たちが水泳教室が終わると、活き活きとした表情に変わる。そういう姿を見ると、『夢プロ』をやってきてよかったなと感じます」

「夢プロ」は、例年1~3回の開催だったが今年は4回。東京のあと、大阪(9/29)、熊本(10/5)、岩手(10/13)で実施される。

「応募もかなりいただいているので、なるべく幅広くたくさんの人に参加して欲しいと思い、今年は4回に増やしました。本当は全都道府県を回りたいくらいなんです」

【次ページ】 学んで欲しいのは「チャレンジすることの大切さ」。

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