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<わたしの愛する山遊び> 旅のルポライター・土井正和が愛する「温泉名山」 ~「登る」と「浸かる」は1セット~ 

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byMasakazu Doi

posted2013/10/01 06:00

<わたしの愛する山遊び> 旅のルポライター・土井正和が愛する「温泉名山」 ~「登る」と「浸かる」は1セット~<Number Web> photograph by Masakazu Doi
日本の温泉を知り尽くした“登山好き”のルポライターが
オススメする名湯&名山とは? 見逃せない情報がいっぱい!

好評発売中の雑誌Number Do「日本百名山を再発見~あの山はもっと遊べる!~」では、山登りの楽しみ方を様々な角度から切り込んでいます。
今回は土井正和さんが語った「温泉名山」を全文公開します!

「山は趣味で、温泉が仕事」

 そう語る土井正和さんは、各地の温泉や観光地の魅力を伝える“旅のルポライター”だ。

 山は趣味と言いながら、学生時代から南アルプスなどの山々に単独行を繰り返してきた本格派。『温泉名山1日トレッキング』など、数多くのガイド本を世に送り出してきた土井さんが掲げる、登って、浸かれる、極上山旅のプランとは――。

百名山の半分以上が温泉とセットにできるんです。

 山歩きって、楽しいけどキツイ。汗だくになってそのまま帰るより、下山場所の近くに温泉があれば、それに浸かってから帰った方が遥かに気持ちいいじゃないですか。山と温泉は絶対にくっつけるべきだと思って、それであの本を書いたんです。

 今回改めて、百名山と温泉をセットにできる場所がいくつあるだろうかと数えたら、半分以上の山で可能ですね。それも比較的良質な温泉で、下山してからバスや車を利用しないで歩けることが条件。瑞牆山の山麓に増富温泉というラジウム含有量の多さで知られる湯がありますが、ここは下山してから20分ほどのバス利用または徒歩で約2時間かかります。下山口からやや遠いのですが、帰り道の途上であり増富温泉からはバス便が多い。つまりバスの乗り換え場所的なので、こういうケースは例外として数に含めました。

初心者は草津白根山と万座温泉、中級者なら八甲田山。

 たくさんある中で、山歩き初心者にまずお薦めしたいのが草津白根山と万座温泉。じつは草津温泉も近いんですけど、下山地が温泉である万座とくっつけた方がいいですね。バスで標高2000mの登山口まで行けて、ほとんど急なアップダウンなしで登山道の最高地点まで歩けます。夏は噴火口の斜面に高山植物のコマクサがたくさん咲いていてキレイですよ。展望所からの眺めも素晴らしく、万座へ登りとは別のルートを歩いて下るだけなのでとてもラクチン。草津より若干知名度は落ちるけど、万座の湯も泉質はお墨つきです。

 もう少ししっかり山を歩きたいという人には、八甲田山を紹介したい。酸ヶ湯温泉という総ヒバ造りの「千人風呂」で有名な温泉地がありますが、そこから青森トド松などが生えた森林地帯を通って、1時間半くらいで仙人岱という分岐に着く。さらに1時間ほど歩くと、八甲田大岳という主峰に登頂できます。ここも山頂からの眺めが良いですし、ひと山登ったという充実感が得られるはずです。

【次ページ】 湯治場の雰囲気が残る酸ヶ湯は日帰り入浴もできる。

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土井正和

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