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オコナーの大活躍に思う
日本の育成のあり方。
~大学ラグビーにインターン制度を~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byNobuhiko Otomo

posted2010/12/05 08:00

東福岡の布巻は今夏、NZ留学を経てさらに一回り大きく成長。卒業後は早大に進学する

東福岡の布巻は今夏、NZ留学を経てさらに一回り大きく成長。卒業後は早大に進学する

 台風が首都圏を襲った10月30日。生気を欠いた日本代表が主力抜きのサモアにあっけなく敗れた試合の後だ。静かになった秩父宮ラグビー場のプレスルームでは、記者たちがインターネットのライブ映像にかじりついていた。

 香港から届いたのはNZと豪州の定期戦、ブレディスロー杯の映像だ。5点を追う豪州が終了直前に逆転し、対NZの連敗を10でストップするスリリングな展開。だが何より慄然とさせられたのは、タイムアップのサイレンが響いた後に同点トライを決め、右隅の難しい逆転ゴールを鮮やかに決めたのが、弱冠20歳のWTBジェームズ・オコナーだったことだ。

 オコナーは昨年、東京で行なわれたブレディスロー杯で来日。19歳の躍動は本欄でも紹介したが、この1年間のブレイクぶりは想像以上だ。NZ、南アフリカとの3カ国対抗ではトライ王に輝き、11月のイングランド戦までで26キャップ、9トライ90得点。日本なら大学2年に相当する20歳でこのキャリアは信じ難いが、超新星は彼だけではない。今季、オコナーと並ぶ豪州のエースに急成長したFBカートリー・ビールは21歳で、昨秋の来日時はまだノンキャップだった。ウエールズでは、3月に同国史上最年少の18歳25日で代表デビューしたWTBトム・プライディーが、6月の南アフリカ戦で最年少トライも決めて見せた。W杯まで1年を切った今も、国際ラグビーには若きスターが次々に登場している。

大学生をトップリーグに派遣するインターン制度の導入を急げ。

 彼らの多くはプロクラブのアカデミー組織で育成され、若くしてシニアのリーグ戦に放り込まれ、国際舞台にたどり着いた。プロ化の進む世界では、大学や高校という枠の中でしかプレーできない日本の同年代とは異次元の速度で強化資本が投下されているのだ。

 日本ラグビー強化の全体像を策定する岩渕健輔ハイパフォーマンスマネージャーは、大学生の飛び抜けた選手をトップリーグに派遣し、練習や実戦を経験させるインターン制度を1年前から提唱している。公平感の確保など難題も多く、目指していた今年度中の導入は叶っていないが、「必要だという合意はできてきた」と、実現に向けて各チームとの調整に奔走する。来春には東福岡の布巻峻介(写真)、桐蔭学園の竹中祥ら近未来を担う才能が大学生となる。先送りはもう許されない。

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