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「7年」の間に要求される
安心、快適、昭和への決別。
~東京五輪開催への課題とは?~ 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2013/09/25 06:00

「7年」の間に要求される安心、快適、昭和への決別。~東京五輪開催への課題とは?~<Number Web> photograph by KYODO

開催決定後、調印式で笑顔を見せる安倍総理(右)とIOCロゲ会長。

 7年。東京五輪開催までの時間を長いと見るか、短いと見るかはそれぞれの立場によって違う。

 来年2月には組織委員会が発足する予定だが、IOC総会を受け、政府は「国際公約」となった汚染水をはじめとした放射能問題の処理、そしてホストシティ東京は会場等の整備が急務となる。

 安倍総理は汚染水問題について「コントロール下にある」とし、IOC委員からの質問については「完全にブロックされている」と回答した。これを受けて東京電力の担当者は9月9日、「状況を安定させたい」としながら、政府に真意を照会したことを明らかにするなど、食い違いを見せている。公約となった以上、一日も早い解決が望まれる。

 それにしてもIOC委員は大いに満足だろう。一国の総理大臣から公約を引き出したのだから。任意団体、IOCの力たるや恐るべし、である。

 今は開催が決まって経済効果への期待など、バラ色の未来が広がっているように見えるが、吟味していくと解決すべき課題は多い。

臨海部の防災対策、新国立競技場の快適性を実現できるか。

 まずは施設面。開催計画では臨海部に選手村をはじめ、多くの施設が作られる。しかし不安視されるのは埋立地であること。もしも地震が起きたら、どうなる? 東日本大震災時に首都圏でも見られた液状化現象が心配されるし、震源地によっては津波対策が必要になる。

 世界のトップアスリートを招くのだから、安全対策は万全でなければならない。耐震、防災研究が五輪だけでなく、日本の財産になっていくような計画になって欲しい。

 また、国立競技場は'14年の7月から解体工事が始まる。前回の五輪のメインスタジアムがなくなるのは、とても寂しい。なにやら、「昭和への決別」という趣がある。

 その後釜となる斬新なデザインが話題の新国立競技場も、これからは予算との戦いだ。新設の五輪スタジアムには悪い思い出があり、北京五輪で使われた「鳥の巣」は、スタンド上部に行くのにエスカレーターがなく、階段で昇った。疲れたのなんの……。予算が不足していたのだ。新国立競技場では最新の快適性を実現してもらいたい。

【次ページ】 体罰を必要としないコーチングが根付く契機に!

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