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<トップアスリートが語るアミノ酸の必要性> 入江陵介 「リオデジャネイロに向け、初心に帰ってスタートしたい」 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2013/07/25 06:01

自身2回目の五輪へ挑む前、体調管理の重要性を痛感した。
ロンドンで花開いた日本競泳界の新エースを支えた要因に迫る。

 入江陵介は、昨夏のロンドン五輪に出場し、背泳ぎ100mで銅メダル、200mとメドレーリレーで銀メダルを獲得した。出場した3種目すべてでメダルを手にしたのである。

 初めて出場したオリンピックである2008年の北京五輪では、200mのみの出場だったが、風邪をひいた影響から体調が万全ではなく、5位にとどまっている。あまりにも対照的だ。

 2度のオリンピックの間に、どんな変化があったのか。転機は2010年だった。この年の9月、入江は中国・昆明での日本代表合宿の途中で帰国せざるを得ない事態となった。

「その時喘息があって、発熱したり、あまり食べれなくて脱水症状のようになったり」

 トップスイマーであるにはハードなトレーニングの積み重ねが欠かせない。そのためには練習に耐えられる体力が大切だ。

 では、どのように管理していけばよいか。始めたのはアミノ酸の本格的な利用だった。

毎日アミノ酸を摂取した結果、ロンドンでのメダル獲得に繋がった。

「アミノ酸自体は以前から知っていたし、摂取することもありましたが、必ずしも計画的ではありませんでした。でもそれ以降、アミノ酸にもいろいろな種類があることを学び、どういう状況のときはどの種類がいいのか、飲むタイミングを教えていただいて、しっかり意識して飲むようになりました」

入江陵介 Ryosuke Irie
1990年1月24日、大阪府生まれ。中学時代から本格的に背泳ぎに転向し、18歳で北京五輪に出場。世界水泳には'09年・'11年に出場し、合計3個のメダルを獲得。'12年ロンドン五輪でも3個のメダルを獲得した。イトマン東進所属。178cm、64kg。

 以来、練習後と寝る前、ときには練習中と、毎日摂取することが習慣となった。

 成果はてきめんに表れた。

「それ以降、体調を大きく崩すことはなくなって、熱も、いつ出たかな? というくらい体調を保てるようになりました。練習で疲労がたまると免疫力が下がって風邪もひきやすくなるのですが、疲れをとったり抵抗力をつけるためのアミノ酸を摂取しました」

 そしてロンドン五輪を迎えた。大会前は海外合宿などハードな日々も続いたが、「生活のパターンのひとつ」と言うほど定着したアミノ酸摂取とともに体調に神経を配った。大会が始まっても、3種目の長丁場の中、コンディションを維持。それが3つのメダルにつながったのである。

 成績もさることながら印象的だったのは、試合後の囲み取材で自身のことのみならず他の選手への気配りも見せる堂々とした姿だった。それは入江が日本男子を引っ張る存在の一人になったことを示していた。体調管理との戦いに勝ったことは成績ばかりか、自信にもつながったのかもしれない。

<次ページへ続く>

【次ページ】 「いい意味で今年と来年は試せる期間だと思う」

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