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<移籍の真相とバルサへの想い> ズラタン・イブラヒモビッチ 「ミランは最高のビジネスを成功させたぜ」 

text by

クリスティアーノ・ルイウ

クリスティアーノ・ルイウCristiano Ruiu

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photograph byAFLO

posted2010/10/04 06:01

急転直下、ACミランへの電撃移籍を果たした孤高の天才ストライカー。
バルサへの愛憎、新天地での野望、そしてCLに賭ける想いまで、
唯我独尊、縦横無尽に語り尽くした。

――ズラタン、やはりまずはこの質問から始めさせてもらいたい。イタリアにおける今夏のメルカート(移籍市場)で最大のニュースとなった君の移籍について。「不可能」と言われていたはずのミラン入りはなぜ可能になったのか?

「何一つとして難しいことなんかないさ。あるひとりの男が、俺がバルサに残ることを強く拒んだ。その男とは、他ならぬ監督グアルディオラだよ。昨シーズンの終盤、今年の春のことなんだが、もはや必要とされていないと知った俺は、すぐに代理人のミーノ(・ライオラ)と話をしたんだ。『どこか俺に興味を持つクラブはないのか』と。するとミーノは『可能性があるのはミランだ』と答えた。もちろん『解決すべき問題は少なくない』とも付け加えていたが、まぁそれを何とかするのがヤツの仕事だしな(笑)。なので俺からは『とにかく頼むぜ』と。そして、『あの赤と黒のユニフォームを俺が手に出来るように、是が非でも話をまとめてくれ』と伝えたんだ。俺は、ミランに以前から魅力を感じていた。そのクラブが興味を示してくれているという事実を、本当に心底嬉しく思っていたんだ」

――代理人はミランとバルサ双方と交渉を続け、そして8月のメルカート終了間際に……。

「そう、8月の末にガッリアーニ(ミラン副会長)がバルセロナの俺の自宅に来たんだ。そこで彼はミランが掲げる目標を熱く語り、その上でこう言ってくれた。『イブラヒモビッチはミランで不動のレギュラーになる。再び欧州で勝とうとする我々は、是が非でも君の力を必要としている』と。要した時間はものの5分。その僅かな時間で、俺はミランこそが最良の選択だと知り得たわけだよ」

――そこから僅か2日で交渉は成立した。

「その通り。ガッリアーニとミーノ、2人は実にすばらしい仕事をしてくれたよ。あの2日の間に、俺はミランのオーナー(シルビオ・ベルルスコーニ)から2度ほど電話をもらっているんだが、そこでもミランが本当に俺を必要としているってことを強烈に感じたんだよ。交渉が終わった時点で、俺とミランは最高に幸せだった。一方で、その結末を決して喜べずにいたのはバルセロナだよ。だがまぁ、それは向こう側の問題であって、俺には一切関係ないんだけどな」

――バルサ側が喜べずにいた理由とは?

「理由は2つ。ひとつは、イブラを擁するバルサは勝つことができたんだが、イブラなきバルサが果たして勝てるかどうか。ふたつ目は、まぁこれは彼らに聞いてほしいんだが、この俺の獲得に幾ら費やし、だがその1年後、俺を出すことで得た額は一体どれだけなのか。その差は決して少なくはなかったはずだぜ」

<次ページへ続く>

【次ページ】 「俺は、超の付くビッグクラブでのみプレーすべきFWだ」

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