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56年ぶりに復活する、
日本ヘビー級王者。
~7・25、最重量級タイトル戦開催~ 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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photograph byBOXING BEAT

posted2013/07/10 06:00

56年ぶりに復活する、日本ヘビー級王者。~7・25、最重量級タイトル戦開催~<Number Web> photograph by BOXING BEAT

4月のウォーレン戦でTKO勝ちを収めた京太郎。打ち合いの中で3度のダウンを奪った。

 やや大げさに言えば、間もなく日本ボクシング界長年の夢が現実のものとなる――。

 7月25日、後楽園ホールで予定されているのは日本ヘビー級王座決定戦だ。元K-1王者の藤本京太郎と日本のジム所属のアフリカ人オケロ・ピーターが争うのは、半世紀以上も前に一度だけ行なわれ、以後コミッション預かりとなっている最重量級のタイトル戦である。

「日本人ヘビー級」と聞くだけで一部のファンは色もの扱いしかねない。「日本人にヘビー級は無理」と信じられ、実際かくも長きにわたってタイトルが凍結されたという事実がそれを物語っている。最初で最後の日本ヘビー級タイトル戦が行なわれたのは、1957年5月4日、東京・京橋公会堂。相撲出身の片岡昇が中越豊に10回判定勝ちで初代王者と認定されたが、「スピードもスタミナもない」凡戦と評され、片岡はその後一度もリングに上がらず姿を消してしまう。

 わが国の重量級における人材難は昔からのこと。巨漢揃いの角界からスカウトしたはいいが、食べることで保たれた巨体も真面目にボクシングの練習をすると体重が落ち過ぎヘビー級以下になってしまうこともあったという。ロードワーク禁止令が出たという笑い話も残る。初代王座を争った2人も、今ならライトヘビー級に近い約80kgだった。今回の京太郎は100kg超、ピーターも115kgとタイソンに匹敵する立派なヘビー級だ。

K-1ヘビー級王者から転向した京太郎に求められる結果と内容。

 2代目王者を目指す京太郎は、K-1のヘビー級王座を返上して国際式ボクシングに転向した変わり種。元々キックよりパンチが得意だったが、ボクサーとしては未完成。昨年暮れの東洋太平洋王座決定戦では、ハウモノの右強打を浴びて苦杯をなめているように、被弾率を下げないと成功は望めない。

 対するピーターは東洋太平洋王者として、全盛時には日本選手の前に壁となって立ち塞がった。7年前にはロシアで世界王座に挑戦し、惜しくも判定負けしたこともある。だが39歳の現在はさすがに衰えは隠せず、京太郎が付け入るスキもありそうだ。昨年2人はスパーリングで手合わせをし、「好内容だった」(京太郎陣営)とか。今度の試合の結果と内容によって、長いトンネルに入っていた日本ヘビー級の将来もみえてきそうだ。

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