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今、全米中が注目する
フィル・ジャクソンの去就。
~稀代の名将、NBA復帰はあるのか~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/06/18 06:00

現在は期間限定でピストンズの新ヘッドコーチ選定の相談役を務めるフィル・ジャクソン。

現在は期間限定でピストンズの新ヘッドコーチ選定の相談役を務めるフィル・ジャクソン。

 フィル・ジャクソンが動き始めた。2年前にロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチを退いてからほとんど表舞台に出ることがなかったジャクソンが、5月に出版した著書『イレブン・リングス』の宣伝のために全米各地でテレビやラジオの取材を立て続けに受け、露出が増えている。

 NBAヘッドコーチとして11回優勝したカリスマだけに、彼が話せば何でも大ニュース。マイケル・ジョーダンとコービー・ブライアントの比較からレイカーズの戦い方への意見など、ジャクソンが語るだけで話題になるのだ。

 最も注目のトピックは、ジャクソン自身の今後についてだ。コーチ復帰を待望する声は根強く、今春もブルックリン・ネッツをはじめ複数のチームから誘いがあったという。しかしジャクソンは「もうコーチに戻ることはない」と断言し、オファーは今のところすべて断っている。今年9月で68歳になるジャクソンは、ストレスが多く過酷なコーチング生活には戻りたくないのだという。

球団社長や相談役などのフロント入りが本人の希望らしいが……。

 とはいえ、このまま隠居生活を続けるつもりでもなさそうだ。今後は、どこかのチームで球団社長や相談役として自分の後継者となるコーチに知識や経験を伝えられる仕事に就きたいらしい。たとえば、サクラメント・キングスの買収とシアトル移転を計画していたグループからは、計画が実現したら希望の役職を用意するとのオファーがあり、ジャクソンも興味を示していた。結局、キングスはサクラメントに残ることになったため、ジャクソンのNBA復帰も延期となったが。

 傍から見れば、レイカーズのフロント入りが一番自然に思える。何しろ、去年末にレイカーズの共同経営者で経営部門責任者のジニー・バスと婚約し、今もロサンゼルス郊外に住んでいるのだ。地元ファンの間の人気も根強い。しかし、レイカーズのバスケットボール運営を取り仕切るジム・バス(ジニーの兄)にはジャクソンをフロントに迎える意思はないようで、ジャクソンも無理強いしてまでレイカーズにこだわる気持はないらしい。

 そういえば、著書の最後をジャクソンはこう締めくくっていた。

「成功の極意は現状に身を任せること」

 身を任せたジャクソンが果たしてどこにたどりつくのか。目が離せない。

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