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諏訪魔3冠王座奪回で、
来るか、全日本「新時代」。 

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門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/09/24 06:00

諏訪魔3冠王座奪回で、来るか、全日本「新時代」。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

鈴木みのるに痛烈なラリアットを叩き込む諏訪魔。バックドロップも一級品の新選手会長

 武藤・全日本はこれで変わるのか? 8月29日、東京・両国国技館で行なわれた王者・鈴木みのるvs.挑戦者・諏訪魔の3冠ヘビー級選手権試合。44分24秒の激闘の末、諏訪魔が粘るみのるを岩石落とし固めで振り切り、2年ぶりの王座返り咲きを果たした。

 この一戦に先立って行なわれた王者・B・D・ブードゥー、TARU組vs.挑戦者・真田聖也、征矢学組のアジアタッグ選手権では、カナダ武者修行から帰国したばかりの征矢が悪党TARUを22分40秒でKO。真田、征矢のフレッシュコンビが日本マット最古のベルトを巻いた。

 新世代軍のリーダー諏訪魔が超党派軍のボスみのるを屈服させたことによって、全日本の流れが変わろうとしている。

「ここからはオレの時代なんだよ。それをわからせたかった。まだまだ鶴田先輩にはかなわないけど、もっとその背中を追っていきたいね」

 理想のチャンピオン像を、中大レスリング部の先輩、故ジャンボ鶴田さんに求め、全日本を守っていきたいと抱負を語る新王者。仲間の浜亮太、河野真幸、真田、征矢らにビールをかけられ、満面の笑みを浮かべていた。

 これら新世代軍のメンバーは、無我経由の征矢を除き、生粋の武藤・全日本育ち。ヘビー級は明らかに彼らが主流を占める。

軽量級の20代コンビ、KAIと大和ヒロシにかかる期待。

 しかし、新時代到来と決めつけるのはまだ早計だろう。諏訪魔は'08年4月、佐々木健介(健介オフィス)を破って3冠ベルトを初奪取したが、同年9月、グレート・ムタに敗れ、防衛2回のみで王座を明け渡した失敗例がある。次期挑戦者として、超党派軍の代表、船木誠勝が早くも名乗りを挙げてきた。船木の3冠初挑戦は、「みのるの敵討ち」という思いが込められている。諏訪魔はこの難敵をブチのめさない限り、本当の意味で、「オレの時代」を叫べない。

 武藤敬司社長は「これからだね、これからがスタート。ジックリ見ていくよ!」と、新世代の躍進ぶりに目を細めながらも慎重な構えを見せている。

 軽量級には、20代の突貫コンビ、KAIと大和ヒロシもいる。ヘビー級と両輪で人気の彼らがジュニアヘビー級のベルトを独占した時こそ「新時代」だ。時代を後戻りさせないでほしい。

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