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ドーピング検査強化でますます有利。
鉄人・室伏広治、ロンドン五輪で金も!? 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2010/09/13 10:30

ドーピング検査強化でますます有利。鉄人・室伏広治、ロンドン五輪で金も!?<Number Web> photograph by AFLO

 鉄人は鉄人なり。

 欧州転戦から9月初旬に帰国したハンマー投げの室伏広治の活躍に、思わずそんな言葉が浮かんだ。

 室伏は、2つの国際大会で優勝を遂げた。

 内容もすばらしいものだった。

 8月28日、イタリアで行なわれたリエティ国際の予選で今季世界最高となる80m99をマーク。翌日の決勝では80m96を筆頭に3度、80m超えを記録して優勝。室伏自身、80m台は2008年のスーパー陸上以来である。

 9月1日には、クロアチアのザグレブ国際で79m71で連勝を果たす。両大会の優勝により、国際陸上連盟が今シーズンから定めた種目別チャンピオンを決める「ハンマースローチャレンジ」の初代王者にも輝くことになった。

36歳にしてトップに立ち続けられる原動力とは何か?

 '04年のアテネ五輪で金メダル、'08年の北京では5位入賞を果たした室伏は'09年を「ロンドンへ向けた1年目」と位置づけ、「ゆっくり進んでいきたい」としていた。故障の影響もあって'09年こそ記録は伸び悩んだが、今シーズンになって復調してきたのである。10月で36歳になるというのに、いっこうに衰えなど感じさせない。長年第一人者であり続け、今なお第一線にいられる原動力はどこにあるのか。

 身長187cm、体重は100kgほどもある体で100mを10秒台で走れることが象徴する身体能力の高さは間違いなく理由のひとつだろう。それにしたって、日本の基準からすれば大柄な身体でも、海外に出れば小柄な部類だ。パワーで抜きん出ているわけでもない。

 身体能力云々以上に大きいのは、あくなき向上心と探究心にある。ハンマー投げを論理的に考え、いかに理想のフォームに近づけるか、体の感覚を研ぎ澄ませるか、トレーニングにも創意工夫をこらしてきた。筋力を鍛えるにしても効果を考えていくつものパターンを編み出してきた。投網を放つ、複数のハンマーを腰からつるしての歩行といった独特の練習も、考えに考えて行き着いたものだ。あるいは、大会などで出会った海外の選手たち、異なる競技の一流選手の話を積極的に聞く姿勢は有名だが、それもまた、室伏の向上心のありようを示している。

 だからこそ、日本選手権でも今年6月の優勝も含め16連覇を成し遂げられたのだ。あとに続く選手が出てこないということもあるが、16年にわたりトップを維持してきたのは衰えを知らないモチベーションの表れである。

【次ページ】 ドーピング検査の強化は「私にとって有利になります」。

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