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“史上最速の男”チャプマンが、
レッズ躍進を加速させる! 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byAP/AFLO

posted2010/09/05 08:00

“史上最速の男”チャプマンが、レッズ躍進を加速させる!<Number Web> photograph by AP/AFLO

チャプマンは2009年WBCで日本戦にも登板。その年の7月に遠征先のオランダで亡命していた

 15年ぶりのプレーオフ進出を狙うレッズが、満を持して“史上最速の男”をメジャー昇格させた。時速100マイルを超える速球を投げる男として、開幕前にスティーブン・ストラスバーグとともに話題をさらったキューバ出身の22歳左腕アロルディス・チャプマンだ。

 8月31日までにメジャーの出場枠(25人ロースター)に入っていればプレーオフの出場資格を得られることから、チームがプレーオフに向けた秘密兵器として期待していることは間違いない。

 その期待に応えるようにデビュー登板もド派手なものだった。

 地元戦ながら観衆は2万人足らずだったが、チャプマンがブルペンで投球練習を始めると周囲には黒山の人だかりができフラッシュの嵐が巻き起こった。そして8回、グラウンドに姿を現すとファンは総出で拍手と歓声で出迎えた。投球中もファンは立ちっぱなしで1球ごとに大騒ぎ。その噂通りの投球にファンはすっかり酔いしれた。

 わずか8球の投球だったが、6球の直球はすべて98マイル(約158km)以上。最速は球場表示では102マイル(約164km)だったが、中継したTVのスピードガンでは103マイル(約166km)を記録していた。

メジャー最速の104マイルの豪速球に“Chapmania”は熱狂!

 さらに度肝を抜いたのが、メジャー初勝利をものにした翌日の試合だ。

 この日も1回をあっさり三者凡退に退けたが、圧巻は最後の打者に対しての投球。MLB公式サイトで、これまでジョエル・ズマヤとAJバーネットが記録していたメジャー最速の104マイル(約167km)を2球計測したのだ。昇格直前にマイナーで105マイル(約169km)を叩き出しており、今後、夢のメジャー最速記録を更新することも間違いないだろう。

 もちろん球場によって球速表示はまちまちで、メジャー最速もあくまで参考記録でしかない。しかし100マイル以上のストレートを連投できる投手は過去におらず、チャプマンにファンが熱狂するのも当然と言えよう。すでにMLB公式サイトのファンの書き込みに“チャプマニア(Chapmania)”という単語が使用されるなど、早くも旋風が起こりそうな勢いだ。

 だが、メジャー昇格までの道のりは決して平坦ではなかった。開幕当初からマイナーで先発を務めていたが、6月に入ると課題と言われている制球難を露呈。この月は0勝4敗、防御率5.84で終えたことで、首脳陣はチャプマンの中継ぎへの配置転換を決めた。

【次ページ】 中継ぎへの配置転換がチャプマンの左腕を強化した。

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