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敵地で強豪を撃破、
ジャパンの価値ある2勝。
~ラグビーW杯へ向けて急成長中!!~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKenji Demura

posted2010/07/14 06:00

敵地で強豪を撃破、ジャパンの価値ある2勝。~ラグビーW杯へ向けて急成長中!!~<Number Web> photograph by Kenji Demura

 W杯で2度の8強入りを誇る強敵サモアからの勝利、そしてアジア以外の相手を敵地で倒した勝利は、どちらの意味でも'99年以来11年ぶりだ。

 6月19日、サモアの首都アピア。環太平洋4カ国によるパシフィックネーションズ杯(PNC)での31対23の勝利は、かくも価値のあるものだった。

 続く26日はトンガに26対23の逆転勝ち。こちらは'07年からのカード4連勝だが、違う価値があった。トンガは来年のW杯本大会で戦う相手。しかも開始直後にBKの柱・CTBニコラスが負傷退場する苦しい戦いながら、ロスタイムに徹底スクラム勝負の末、逆転サヨナラのペナルティトライを奪い取った。どちらも、安定したセットプレーが最大の勝因だった。

「この試合で自信をつけたわけじゃなく、自信を持って選択したプレーで、当然の結果を出せただけだと思ってます」

 29日、1カ月に及んだ遠征から帰国した菊谷崇主将は、あっさりと言った。

「FWがみんな(自信で)目がギラギラしていた。飢えてたんですね。その夜のお酒はBK陣の奢りでした(笑)」

ジャパン成長の鍵は、合言葉の「ワンチーム」にアリ。

 最初から順調だったわけではない。NZでのウォームアップマッチでは同国中堅のノースハーバー州代表に敗れ、最初のフィジー戦はセットプレーで崩され完敗。だがそこからジャパンFWは蘇った。オフの日も自分たちで場所を探し回り、海風が吹きつける浜辺の野原でラインアウトを反復練習。畠山健介が「同年代だし遠慮せず何でも言いあえる」と話す堀江翔太、川俣直樹との24歳トリオを軸に互いの課題を指摘し合い、スクラムを左右するコミュニケーション力を磨いた。

 合言葉は「ワンチーム」。控え組はグラウンド内外でメンバーを支え、成田空港での解散の際には「また選ばれて、争おう」と誓い合った。PNC発足5年目で初の2勝は、そんなチームの結束力に支えられていたのだ。だが、快挙を遂げた面々も安穏としてはいられない。同時期には準代表の日本Aが欧州遠征でスコットランドに食い下がってきた。

「脅威です」。菊谷主将はそう言いながら、「どっちにしても、僕らは競争に勝って初めて試合に出られる。僕自身もそうだし、Aの選手も同じ気持ちでしょう」。

 開幕まで1年余り。W杯へのサバイバルが、いよいよクライマックスに入る。

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