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右肩下がりのテニス人口。
普及のカギは「10歳未満」。
~我が子を第2の錦織圭に!~ 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byHiromasa Mano

posted2013/04/17 06:00

右肩下がりのテニス人口。普及のカギは「10歳未満」。~我が子を第2の錦織圭に!~<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

国際テニス連盟推奨のスタートプログラム「PLAY+STAY」でテニスに親しむ子供達。

 テニス難民なる言葉がある。通っていたクラブが閉鎖となり、プレーの機会が激減した愛好者を指す。難民が増えたのは2000年頃から。固定資産税や地代が経営を圧迫し、閉鎖に追い込まれるクラブが増えたのだ。相続税を納めるために土地を処分し、存続できなくなるクラブも多かったと聞く。

 コートの減少傾向は今も続く。このほど日本テニス協会がまとめた「テニス人口等環境実態調査」によると、'96年から'08年までの13年間で、テニスコートの面数は約4分の3に減少した。また、テニス人口自体、大きく減っているという。〈過去1年間に1回以上テニスを行なった10歳以上の人口〉は10年前の423万人から373万人に減少した。

 調査では愛好者の高齢化も明らかになった。成人テニス人口の年代別構成比を見ると、10年前に比べ20代、30代の割合が減少し、逆に40代以上の全年代で割合が増加、特に60代は増加が顕著だという。どうりで中高年プレーヤーの元気さばかりが目立っていたわけだ。

協会が推進する「PLAY+STAY」プログラムを裾野拡大の契機に。

 コートが減り、愛好者は高齢化、悲観的な話ばかりだが、期待を抱かせる数字もある。テニススクールに通う生徒の約1割が10歳未満の子供なのだという。「環境整備など今後やるべきことは多いが、10歳未満や10代の参加人口が増えれば裾野が広がり、人口拡大につながる」。こう話すのは、実態調査を行なったプロジェクトチームの高橋甫座長だ。

 日本協会は今、国際テニス連盟推奨の10歳未満を対象とする導入プログラム「PLAY+STAY」を推進している。まさに「10歳未満」が普及のカギと見ているのだ。取り組みの成果というには時期尚早だが、まさにその年齢層でスクールに通う子供が一定数いるという事実には、関係者も勇気づけられるだろう。

 幼い子供たちがスクールに入校した動機は調査されていないが、錦織効果は少なからずあると思われる。世界的スターの出現がテニス人口の爆発的な拡大につながった例は各国にある。僕も錦織選手のように、我が子を第2の錦織に、と彼の活躍が多くの親子に夢を与えているに違いない。ロールモデルである錦織と具体的な施策としてのPLAY+STAY、2枚の切り札で長期低落傾向に歯止めがかかるか、注視していきたい。

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