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ノリックの遺志を継ぎ、
世界王者を目指す若武者。
~17歳・野左根航汰の挑戦~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2013/02/19 06:00

10月には18歳になる野左根。世界基準では決して若すぎることはない。右は阿部光雄監督。

10月には18歳になる野左根。世界基準では決して若すぎることはない。右は阿部光雄監督。

 '95年から世界グランプリにフル参戦して一世を風靡したノリックこと故阿部典史さんは、'07年に交通事故で亡くなった。そのノリックの父・阿部光雄さんが監督を務めるウェビック・チーム・ノリックが、17歳の野左根航汰(のざね こうた)を起用して、世界に挑戦しようとしている。

 チーム・ノリックは、オートレーサーの光雄さんのサポートを受けて、ノリックが'06年にスタートさせた。第1期生の野左根はそのとき10歳。ノリックが亡くなった後も、息子の遺志を継いでチームを率いてきた光雄さんの指導でメキメキ腕を上げてきた。

 昨年は全日本ロードJ-GP2クラスで7戦して、2勝を含む5回の表彰台で総合3位。今年は全日本タイトル獲得を目標に戦い、秋の日本GPにスポット参戦して腕試し。'14年からWGPにフル参戦する予定だ。

阿部監督のような熱血漢が、日本のレース界を活性化する!

「昨年、航汰はライダーとして大きく成長した。10歳のときから世界の頂点に立てる選手だと思っていたが、やっとスタートラインに立つ日が近づいてきた。モト2から始めて6年目の20代前半には、モトGPクラスのチャンピオンにしたい。そこから逆算すると2014年には世界に出て行かなければと思った」

 阿部監督のプランは、'14年にモト2クラスに参戦して2年目にタイトル獲得。'16年にモトGPに昇格し、'19年にタイトルを獲る、というものだ。ノリックは史上最年少の18歳で全日本500cc王者となって世界へ羽ばたき、20歳の時、史上2番目の若さでWGP500ccクラスで初優勝した。そんなノリックを育てた阿部監督だけに、周囲の期待は大きい。

 国内の2輪市場の縮小と世界経済の低迷で、日本のバイクメーカーは、以前のように国内のレースとライダー育成に資金を投入できなくなっている。そのため、日本のレース界と選手のレベル低下は顕著だが、阿部監督のような熱血漢が、日本のレース界を活性化させてくれそうだ。

 全日本チャンピオンもモト2チャンピオンもあくまでも通過点と言い切る阿部監督と野左根のシーズンオフは、モトクロスとモタードのトレーニングで明け暮れる。身体の成長とともに、1年前の走りが嘘のような成長を遂げる野左根と、世界を目指すチーム・ノリックのこれからに注目したい。

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