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多彩な人生を謳歌する、
セードルフの武器と野心。
~サッカー選手のセカンドキャリア考~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/02/01 06:00

多彩な人生を謳歌する、セードルフの武器と野心。~サッカー選手のセカンドキャリア考~<Number Web> photograph by Getty Images

イベントで蘭ウィレム王子夫妻と共演したセードルフ。3つの別クラブでCL優勝を経験。

 長引く不況もあり、欧州では現役引退後のセカンドキャリアに向けた準備の必要性が叫ばれている。選手の多くは引退後に指導者やコメンテーターを目指すことが多いが、すぐに職を得ることができるのはひと握りに過ぎない。

 セカンドキャリアを考える際に手本とすべき存在とされているのが、現在はブラジルのボタフォゴでプレーするクラレンス・セードルフだ。

 セードルフは20代の頃からピッチ外の活動に取り組んできた。イタリアのACモンツァの経営に関わり、サッカー以外でも「セードルフ・レーシング」を立ち上げ、バイクの世界選手権125ccクラスに参戦するなど、スポーツクラブマネージメントを学んでいる。

 スポーツ以外の分野でも積極的だ。ミラノ市内で「Finger's」というレストランを2店舗経営し、イブラヒモビッチや長友佑都も訪れる人気店になっている。ビジネスに限らず慈善活動も行なっており、ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領やコフィ・アナン前国連事務総長など、国際社会の要人とも会合するなど、分野を超えた活動をしてきた。

幅広い仕事を支える、語学力とコネクション。

 幅広い仕事を現役時代のうちからこなせるのは彼の能力ゆえだが、それを助けているのが、国を移りプレーする中で身につけて来た語学力とコネクションだ。

 セードルフは母国語のオランダ語に加え、英語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語など6カ国語を操る。通訳を介さず会話できることで海外メディアからの出演依頼も途絶えない。英BBCではゲスト解説を務め、南アW杯の際には、かつてマンデラが収容されていたロッベン島からの中継を担当するなど、レポート対象もサッカーだけではない。米ニューヨークタイムズ紙にも寄稿するなど、メディア業界でも評価はうなぎ上りだ。

 アヤックス、レアル・マドリー、ミランなど、各国のトップクラブでプレーする中で築いた選手たちとの繋がりも暖めており、マドリー時代にともにプレーしたロベルト・カルロスとはパートナーとして共に仕事をしたこともある。

「監督にも興味がある。会長職もね」と引退後の野心を語るセードルフ。現役時代からマルチな活動をみせるセードルフのようなタレントなら、いくら不況が続いても引退後も安泰だろう。

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