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“キング”ジェイムスが歩む、
「唯一無二」への道。
~王者ヒートの先進的バスケとは~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2012/12/06 06:01

“キング”ジェイムスが歩む、「唯一無二」への道。~王者ヒートの先進的バスケとは~<Number Web> photograph by Getty Images

 NBA開幕から1カ月たつが、レブロン・ジェイムス(マイアミ・ヒート)の周囲が意外なほど静かだ。

 活躍していないわけではない。開幕から13試合でヒートは10勝3敗、イースタン・カンファレンス首位にいる。個人成績でも、昨季よりさらに3P成功率やリバウンドなどを伸ばし、オールラウンドな能力に一層磨きがかかっている。

 周囲から期待されていないわけでもない。たとえば、シーズン前にNBA公式サイトが各チームのGMにアンケートを取ったところ、ヒートの連覇、ジェイムスの2年連続MVP受賞を、それぞれ過半数以上のGMが予想していた。

 それでも、あまり話題になっていないと感じるのは、開幕直前に主力をトレードで出したサンダーや、開幕早々にコーチ交代をしたレイカーズ、あるいは予想外の快進撃をするニックスなどに比べて、期待通り、予想通りすぎてドラマチックではないからなのかもしれない。

ポジションの固定概念に縛られず、レブロンを生かすスタイルを。

 しかし実は、ヒートの内部では画期的なことが進められていた。昨季プレイオフで成功したスモールラインナップを本格採用し、シーズンを通して戦い始めたことだ。いや、“スモールラインナップ”という言葉だけではヒートで起こっていることは十分に説明できない。ポイントガードとかパワーフォワードなどといったポジションの固定概念に縛られないバスケットボールをやろうとしているのだ。

 スポールストラ・ヘッドコーチは言う。

「別に革新的なことをやろうとしているわけではない。ただ、レブロンのような選手を型にはめて考えてはいけないんだ」

 ビッグマンのサイズとガードのスキルを持つジェイムスが、昨季前にポストからの攻撃スキルを身につけ、選手として幅を広げたことで、チーム全体としてポジションという概念が邪魔になったのだ。ポジションにしばられずにチームのあり方を考えるようになったことで、昨季の優勝という結果につながった。

 27歳にして優勝もMVPも達成したジェイムスは、今季前に次の目標を「史上最高の選手になること」と宣言した。それを達成できるかどうかの判断をするにはまだ数年待つ必要がある。それでも、ひとつ確かなことは、彼がすでに、誰とも比べられない唯一無二の存在への道を歩み始めているということだ。

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