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今季低迷のレイカーズ、
HC解雇で復活なるか。
~開幕から10日後の“方向転換”~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byNBAE/Getty Images

posted2012/11/26 06:00

今季低迷のレイカーズ、HC解雇で復活なるか。~開幕から10日後の“方向転換”~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

新戦術を試したプレシーズンも8戦全敗。レイカーズとしては不安を抱えた開幕だった。

 NBA開幕からわずか10日後の11月9日、ロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチ、マイク・ブラウンが解雇された。この夏に大型補強したレイカーズは、シーズン前から優勝候補筆頭に挙げられていた。しかし開幕から5試合戦っての成績は1勝4敗。このまま低迷が続くようだと、ヘッドコーチの首も危ういとの噂が出始めた矢先のことだった。

 今となっては皮肉なことだが、ブラウンは、レイカーズでの最後の練習後にこう言っていた。

「選手たちは、まだ信じている。今はそれが一番大事なことだ」

今季から導入したプリンストン・オフェンスが、結果的には裏目に。

 彼が「選手たちが信じている」と言っていたのは、今季から導入していた攻撃システム、プリンストン・オフェンスのことだ。選手たちが自主的に判断し、ディフェンスの裏を突いて攻めるモーションオフェンスで、習得するまでには時間がかかるが、長い目で見ればプラスになるはずだった。選手たちがそのことを信じてさえいれば、序盤の苦戦も乗り越えられるとブラウンは考えていた。

 もともと、ブラウンはディフェンスのコーチングに定評があるコーチだ。去年5月にレイカーズのヘッドコーチに就いたのも、その能力を買われてのことだった。その一方、オフェンス面ではクリエイティビティに欠けていた。そのことを自覚していたからこそ、プリンストン・オフェンスをよく知るコーチをスタッフに迎えてまで同オフェンス導入に踏み切ったのだ。

 しかし、結果的にはそれが足を引っ張った。オフェンスがうまくいかないことで、持ち味のはずだったディフェンスにも影響が出ていた。時間がかかるシステムを教えるために長時間の練習をしたことも、選手の間では不評だった。

華やかさを求めるオーナーの信用を失ったことが、計算外だった。

 確かに大半の選手たちはプリンストン・オフェンスの長期的な効果を信じていた。しかし、ブラウンにとって計算外だったのは、序盤のふがいない成績に、チームのオーナー、ジェリー・バスの信用を失ったことだった。プリンストン・オフェンスも、ブラウンのコーチングも、このまま続けていては優勝できないと判断したバスは、早々と方向転換を決断した。

 '80年代レイカーズのアップテンポで華やかな『ショータイム・バスケットボール』が好きだったバスにとって、ブラウンのバスケットボールは、成績面でも、華やかさの面でも不満だったのだ。

【次ページ】 新ヘッドコーチは一転、アップテンポな攻撃を標榜。

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