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両雄の激しい王者争いが
思い出させてくれたもの。
~アロンソvs.ベッテル、決着へ~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2012/11/22 06:00

両雄の激しい王者争いが思い出させてくれたもの。~アロンソvs.ベッテル、決着へ~<Number Web> photograph by AFLO

アブダビGPで2、3位に入ったアロンソ(左)とベッテル。笑顔の裏で意地がぶつかり合う。

 大接戦のF1グランプリ2012。首位交代劇を振り返ると、序盤からF・アロンソ、L・ハミルトン、S・ベッテルの三つ巴の戦いで目まぐるしくトップが入れ替わった。

 中盤戦からは、アロンソがフェラーリで着実なレース運びを進める一方、ベッテルは首位をうかがうどころか一時最大44点差まで下がった。1位=25点なので、これはほぼ2レース分に相当する。

 しかしアロンソは第12戦ベルギーGPでR・グロジャン、第15戦日本GPでK・ライコネン(ともにロータス勢)との1コーナー接触事故により2グランプリ無得点。ベッテルは第14戦シンガポールGPからの連勝で一気に4点差に肉薄し、最速マシン・アップデート開発に成功したレッドブル・ルノーとともに第16戦韓国GPで11戦ぶりに首位に浮上した。

「駆け引き巧者」のアロンソと「速さで挽回」のベッテル。6歳違いの両雄対決は、二人の“レース・キャラクター”が個性的で、忘れかけていたこのスポーツにおける人間ドラマを思い起こさせるものがあった。

アブダビGP予選でのチームのミスを、決勝で挽回したベッテル。

 決戦の場となった第18戦アブダビGPではベッテルのレッドブルが予選アタック最後に燃料切れでストップ。重大な違反行為を咎められて失格とされ、グリッドに並べずピットからの出走に追い込まれる。首位を行く彼らの“チャンピオンシップ・コンプライアンス”の甘さ(燃料計算ミス)というほかない。しかし、そのハンデを補い最速マシンによってベッテルは3位に。アロンソは快調ロータスのライコネンを抜けないまま2位。両雄決戦を尻目に今季8人目のウイナーが生まれたこのドラマ展開に、ライコネン・ファンだけでなく観客はひきつけられた。

 本稿はテキサス州のオースティンで5年ぶりに復活開催されるアメリカGP前に書いている。255点ベッテル対245点アロンソ。プラス15点差をつければベッテルV3戴冠がそこで決まる。アメリカ合衆国での決定は'82年ラスベガスGP以来30年ぶりで、それをアロンソが阻めば全20戦シリーズ最後の舞台ブラジルGPがグランド・フィナーレとなる。

 いずれにせよ、両雄にとって3回目のタイトル制覇がかかる北南米ラスト2戦。長かった'12年の闘いにふさわしい終わりかたを期待する――。

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