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“世紀の誤審”を拍手に変えた
ガララーガの言葉。
~MLB発“世紀の美談”の顛末~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2010/06/17 06:00
完全試合は逃したが自身初となる完封勝利をあげ、ア・リーグの週間MVPに選出された。
全米中が、声を失った。6月2日。タイガースのアルマンド・ガララーガ投手は、インディアンス相手に9回2死までパーフェクト投球を続けていた。観客が総立ちの中、27人目の打者を一塁ゴロに打ち取り、ベースカバーに入ったガララーガは、確かに走者より先にベースを踏んだ。ところが、一塁塁審のジム・ジョイス氏は両手を広げ、「セーフ」をコール。その瞬間、史上21回目、今季3人目となるはずだった偉業が、歴史の中から消えた。
近年、大記録が達成されそうになると、米国の野球中継は臨時映像に切り替わる。球場によっては、巨大スクリーンで映し出す場合もある。この日も、そうだった。「世紀の誤審」は、一瞬にして、動かしがたい事実として全米に伝わった。